69.三位一体の改革その後 |
対案として、国交省は補助金の交付金化を検討しているもようです。(10/9付日経) 交付金を仕切っている総務省との軋轢も予想されますが、あくまで権限に固執する中央省庁の執念を感じます。補助金が交付金に替わって、地方の自由度は増すのでしょうか。それは国民にとって、いい方向の改革なのでしょうか。国民にわかりやすい反論 (対案) をお願いします。
補助金制度は今後、遠からず廃止の方向に向かうものかもしれません。要するに、金を持っている側は強く、もらう側は弱い。補助金を通じて国と地方は強く結びつきました。今回、地方の出した結論は、ある意味、それを否定し、日本の官僚支配型中央集権制という、地方をコントロールするシステムそのものに疑問を投げかけているのです。国の本音が、仕事は地方にやってもらいたいが、税源は渡さない、に対して、地方の本音は、国は干渉するな、好きにやらせろ。ただし、金をよこせ、です
かたや交付金制度は、日本国憲法に保障された、どこに住んでいようと、ひとしく国民は平等なサービスを受ける権利があるという精神に基づき、国税を地方に再配分するシステムです。これがないと事実上、地方はもちません。しかし、交付金は実際には、一定の要件を満たす (例えば、規模の大きい箱モノ整備などの公共事業) 地方債 (自治体の借金) の一部を長期に分割して地方に返還したり、補助金 (概ね1/2が国費) の地方自己負担分の一部を地方に払い戻したりする制度を1990年代に構築し、バブル崩壊後、国の景気底支えの財政出動を無理矢理、地方で機能させるために使用されました (地方に、借金を促すためのシステムといえる)。ずばり、これは、ある意味、国と地方が長期にわたり財政悪化に苦しむことになる大きな要因になったといえます。