860.仕組債で大損する人たち |
新聞沙汰にもなりました。いくつか拾ってみます。「自治体の『仕組債』損失、実態は高リスク商品~約61億円分の契約で14億円の損失を出した兵庫県朝来市は日興コーディアル証券と、リスクが大きく勧誘方法に問題があったとして、協議を始めると発表。(大阪朝日2010,12,28付け)」
もっと悪質な事例もあります。「為替連動型『仕組債』、難解さ理由に高裁は契約無効の判決~野村證券は大阪市内の会社社長に、『最初の1年は15.3%の高利回りだが、2年目以降は日本円に対する、米ドルと豪ドルの為替レートに連動して利回りが変わる仕組債』を売りつけ、買い手社長は、いったん承諾したが、その日のうちに解約を請求。野村は応じず、未納入の代金約4,200万円の支払いを求める訴訟を大阪地裁に起こしたが、大阪地裁は「一読では通常の個人投資家が理解できるとはいえない」などとして、野村の訴えを退け、高裁も野村の主張を退けた。(大阪朝日2010,12/26付け)」
これには、重要なポイントがあって、この手のニュースは、証券会社が重要なスポンサーである、日経では絶対に記事になることはありません。朝日だから記事になった。これらはほんの一部で慶應義塾大学をはじめ、多くの大学や企業が『仕組債』に手を出して大損しています。さて、この難解な仕組債とは一体、何でしょう。ネットで引いてみました。
仕組債(しくみさい、structured bonds)とは、オプションやスワップといった特殊な金融テクニックを使用して発行体と投資家の両方の要望に応えることができるように設計された金融商品である。通常は為替のレートや市場の動向によって利率や償還額が変動する。また、一度購入すると途中で解約することができないといった特約を付けて販売されることが多い。仕組み債では多種多様な株式や為替を使って組成を行うことで、投資家の希望に沿った債権をつくることができるという利点がある。個人の投資目的やリスク許容度に応じてオーダーメイドで債権を組成することも可能である。最近では銀行預金の一種として、預金に仕組みを持たせた仕組み預金も発売され人気を集めている。一方では為替レートや市場の動向によっては元本割れを起こす可能性も否定できず、仕組債を購入するさいにはリスクも考慮する必要がある。また、償還が現金ではなく株式などで行われるケースがあることも想定しておかなければならない。仕組み債の具体例としては日系平均リンク債やデュアル債(二重通貨建て債権)がある。(以上、マネー辞典より)
http://m-words.jp/w/E4BB95E7B584E381BFE582B5.html
これが、一読して理解できる人は『仕組債』は絶対に買わない。要するに、『仕組債』とは、証券会社にとって、取り次いで、高い手数料を稼ぐ実にオイシイ商品なのです。基本的に、証券会社の営業員が売りつける金融商品や株の銘柄で儲かることは、まずありません。もし、儲かったとしたら、あなたは好いカモです。最初のうち儲けさせて信用させ、そのうち大きく損をさせる。私は、『ノックイン債』などの販売で証券会社からノルマを強制され、こうした反社会的な営業行為が嫌で証券会社を辞めていった営業社員を数多く知っています。辞めていった人は、良心の呵責に耐えられない善良な人ばかりだった。証券会社のやり口に決して騙されてはいけません。証券会社も少しは反省すべきだ。こんなことばかりやっているから、いつまでたっても「株屋」と蔑まれることになる。とにかく、あなたが理解できない金融商品には手を出さないことーこれが投資の鉄則です。
億単位の資金を預ける大口顧客や、故A井議員のような与党幹部には、VIP口座で絶対損をさせないよう損失補填までしたのは、単に他社に乗り換えられた場合のダメージが大きいと判断したためです。
そこで先物などが賑わっているのだがこれも素人が利益を出せるはずはない。仕組み債権があるようですが理解不可能なので無理ですね。
結局利殖には棚ボタのような得なものなどそうそう無いと思います。
我々庶民はまともに働いて賃金を得ることが一番の利殖ですね。