1082.消費増税で政権をひとつ吹っ飛ばした |
小選挙区制も今回は、民主党に不利です。地方では県庁所在地の1区を除けば、自民、民主、共産の3択になっている選挙区があまりにも多い。選択が限られているのです。比例区は小党乱立で票が割れてしまい、小党に流れる。従ってこれまた民主党に不利。
野田総理の11月14日の電撃的解散発言以降、株価は約1000円上げ、円は5%程度安くなりました。大規模な金融緩和期待で市場が動いて、自民党支持を押し上げ、その結果、さらに株高・円安が進むという循環になっています。国民は根拠なき自民党の「実績」というものにゆだねることになる。経済政策について、多くの政党が、金融緩和+財政出動+経済成長 というステレオタイプの主張をしているのも自民党にとってはプラス材料です。同じ事をみんなが言うのなら、「実績」のある自民党へ入れようか、となる。言うほど簡単なのなら、今までなぜできなかったのか、ということになりますが、そこまでは考えない。
今回の選挙は争点が明確ではありません。しかし、消費増税で政権をひとつ吹っ飛ばしたことは事実です。そして有権者は選択肢のない選択を強いられる。今後もこのようなことは繰り返されるのではないか、という予感がいたします。
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要するに、政策を明確にして賛同する味方を得ようとする戦略ではなく、政策を曖昧にして敵を作らない戦略を取ったのです。
政策が曖昧であれば、消去法で考えると、自民党は必然的に×が少なくなります。(通例、「好きな」政治家などいませんので、多くの人は消去法で「嫌いじゃない」政治家や政党を選びます。)
それに加え、そもそも個々の政策の正否を判断できない人間、決められない人間、責任を負いたくない人間は、「曖昧な」自民に委任したくなります。
そもそも日本人は「曖昧さ」が大好きなのです。選挙においては、政策を1、0で語る必要などないということでしょう。
今回の自民党の戦略は、目から鱗でした。