195.日本国財政破綻の本質を追究する① |
昨日、日銀が金融機関といわゆる、「キャッチボール(かんさんの言葉をを借ります)」をやって、債務の返済を先延ばししているという話を書きました。日本の政策金利は0%ですが、長期金利は1.2~1.3%程度です。長期金利はコントロールできないといわれていますが、それはウソです。長期金利を、政府・日銀は97年9月以来、7年半以上にわたって、押さえ込んでいる。2%を超えそうになっては、押し戻されています。すなわち、制御可能なのです。これは、日銀の量的緩和(力づくの政策)が効いているからに他なりません。今後も制御することが可能との自信を政府・日銀は持ったのではないでしょうか。
★長期金利の変動→ http://www.bb.jbts.co.jp/data/kinri.html#03y
さて、私は、あくまで、我々庶民がイメージすることができる範囲で議論しようとしています。経済学は物理や数学と同じで、論理的かつ抽象的です。しかし、我々庶民は具体的に物事をとらえようとしますので、経済学の理論はしばしば、理解不能となり、このため、多くの人々は経済学から遠ざかろうとし、コミュニケーション・ギャップが生じる。まあ、実際の経済活動では、理論オンリーでは解決不能なので、法律をはじめ直観や常識、その人の経験などあらゆる知識を総動員することになるのでしょう。
話を戻します。返済期限の来た債務を繰り延べすることができればどうでしょうか。また、その債務の弁済を迫られなければどうでしょうか。今の日本国の財政がまさにこの状態なのです。これは、個人レベルでも容易に想像することができるでしょう。借金は無制限にでき、誰も返せといわない、ということなのです。政府債務のうち97%が国内で(それも簡保・郵貯・国内金融機関など)、誰も返済を迫らない(いや、迫れない)。政府が借金をし続けることのできるカラクリが垣間見えるような気がしました。