235.日本は財政危機ではない!とする説について |
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緊急提言は、負債をかさ上げして財政危機であるとして、財務省が国民をだましている、それは、増税を実現するための財務省の演出である、と主張しています。その根拠としては、第一に、日本国の粗債務をGDPで割った比率が150%を超えているとして、危機をあおっているが、粗債務から日本の保有する金融資産 (480兆円) を差し引いた純債務でみると、純債務/GDP比率は60%前後と、ドイツやユーロ圏並の水準であり、財務省が喧伝するほどの「財政危機」ではない。第二に、負債のかさ上げについては、債務に見合う固定資産をカウントしていない、将来の国民年金債務、公務員給与・退職金、郵貯・簡保の保険準備金などを政府債務と見なし、「徴収権」という無形資産を無視して、債務だけをカウントしている、というものです。
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日本の財政は危機ではない? のでしょうか。日本は本当に480兆円もの金融資産を保有しているのでしょうか。(恥ずかしなが知りませんでした。MOFのHPにもそのような事実は見つけられません。個人資産1,400兆円の一部は日本の保有する金融資産とかいう理屈なら、シバきますぜ。どなたか事実を知っている方は書き込みをお願いします。特にMOFの方、このHP見ていないですかね?) 為替介入などで大量の米国債を保有 (2005年2月時点で7,020億ドル=約77兆円) していて (出典:http://www.bloomberg.com/) これは売るに売れないという話は聞いたことがあります。(金利の安い日本国債で資金を調達し、金利の高い米国債を買えば円安のヘッジにもなりますし、金利差益も転がり込み、売れないとはいっても損する話ではない) これまでに読んだ破綻本にも日本国の保有する金融資産にふれている本は無かったと思います。破綻本があらかた退場した後に、「財政危機・演出説」が登場するとは思いもよらない展開でした。
実際問題として、本当に日本が財政危機の状況にあるのならば、円は限りなく下がってしまわなくてはなりませんし、日本国債の金利も高騰していくはずです。現在のところ、どちらも発生していませんし、その兆候はみられません。今後、近いうちに増税論議が起こると思いますが、財務省陰謀説も頭のスミに置いておきたいと思います。
★この記事に関しましては、多くの方からコメントを頂戴し、また自分でも記事No.175(2005年3月15日) に答えを書いています。本来ならば、記事自体を削除すべきところですが、恥をしのんでそのままにしておきます。コメントを下さった方に感謝申し上げます。(by わんだぁ)
RSさんのブログでは 私も大変良い刺激を受けて勉強させてもらっています。
取り急ぎ 日本政府の金融資産480兆円について私の知る範囲の情報を できる限り本日中に私のブログでアップしてゆこうと思います。
※RCではなく、ニックネームの「わんだぁ」と呼んでやってください。
日本国のバランスシートなるものを解説しているページを見つけました。たしかに、金融資産もあるようですが、負債もたくさんあるように見えますが?? いかがでしょう。(私もあまり詳しくないので、だれかわかりやすく説明しくれるとありがたいです)
http://f47.aaa.livedoor.jp/~gijutsu/bs.html
http://wanderer.exblog.jp/1751445/
日経を引用して、既に書かれています。
年金積立金が主のようですが。
第1回 http://media.excite.co.jp/book/daily/friday/010/
第2回 http://media.excite.co.jp/book/daily/friday/011/
預金封鎖はありえないが、貞子様と同じく、10から20%のインフレがあるのではないかと指摘しています。
実は わんだぁさんの8月12日のブログ記事に触発されて 私も『特別会計への道案内』を勉強しなおしているところです。
私の個人的な結論は 『最初に財政の一覧性(透明なお金の流れ)の確保ありき!』と『最初に行政のスリム化ありき!』です。この二つがなかなか実施されないことに 一国民としての苛立ちと一抹の不安を感じてしまいます。一国民としては 国家財政破綻の可能性が否定しきれない限り なんらかの具体的な対策を家庭内で打っておくに越したことはなく 大変悩ましいところです。
http://book.asahi.com/navi/TKY200508020184.html
「国債累増が招く財政破綻(はたん)を回避するには、ハイパーインフレか、あるいは国民の預金を封鎖して高率の財産税をかけるしかないのではないか?」。ビジネスマン向けの講演を行っていると、そのような質問に出あうことがよくある。」
「しかし、あっさりと絶望する前に、本書で中世イタリアから始まる国家の借金の歴史を学んでみてはいかがだろうか。」
国債と金利をめぐる300年史~英国・米国・日本の国債管理政策
真壁 昭夫 (著), 玉木 伸介, 平山 賢一
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492620613/250-8360930-4952253
また、井堀教授が、財政再建の歴史について書いています。
『歴史から読む現代経済』 第4章
日本経済新聞社 (編集)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532351499/250-8360930-4952253
②又2004年度も78兆円増加した(普通国債+42兆,財投債+29兆,FB債+10兆)と報道しています。
これ等の記事は毎年国家予算をそのまま借金している訳でロシアンルーレットを毎日やらされている心境です。
400兆なんかすぐ使ってしまいます。やはり2010年説を信じ込まされます。このことから郵政民営化は遅すぎる。いますぐ、国家の財政の実態を国民に説明し、それをどうするのかを問う選挙にすべきと思う。(私は悲観的です)
発生主義バランスシートから捉えた日本の財政状況
http://members.at.infoseek.co.jp/mapps/economics1.PDF
あと、ちょっと古いですが、
『バランスシートで見る日本の財政』
日本評論社 2001年
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4535552606/qid=1124841352/sr=8-1/ref=sr_8_xs_ap_i1_xgl/250-8360930-4952253
という本があり、特別会計を含めて、この手法を近年まで拡張すれば、政府のバランスシートの実態が出せるかもしれません。