1290.高橋洋一さんの説が正しければ財政破綻は当面ない |
バランスシートの右側の負債は確かに1143兆円ある。しかし、資産も653兆円ある。このうち有形固定資産(ダムや道路などの公共財産と思われる)が178兆円。これはおそらく処分できないでしょう。高橋さんは、1143兆円-653兆円=490兆円、つまり負債は490兆円だとしています。有形固定資産はカネに換えられないとして、これを除けば、1143兆円-(653兆円-178兆円)=668兆円。これが実質国の借金ではないか、と私は考えます。財務省は少し吹かせすぎです。実際の国の借金は大本営発表の58%程度ではないでしょうか。対GDP比220%というのはかなり大げさだということがわかります。これだと他の先進国と比較して特段に大きいということはありません。
それから忘れてならないのが日銀の存在です。直近のデータでは日銀の資産は国債328兆円、負債は日銀券96兆円、当座預金248兆円となっています。つまり、量的緩和は政府と日銀を統合政府と見たとき、負債構成の変化である、と説明しています。要するに国債(有利子)と当座預金(無利子)を交換しているということになると私は考えます。金融機関から既発債を毎年80兆円買い上げているということの意味がそこにある。で、高橋さんは、政府にとって日銀保有分の国債は債務でないのも同然、と考え連結ベースの国債額は減少していると主張しています。
また、カレンダーベースの国債の市中発行額は147兆円。短期国債25兆円を除けば122兆円しかない。日銀の買いオペは、新規80兆円です。あと償還分が40兆円で合計120兆円。市中消化分はほぼ日銀が買い尽くすと述べています。(償還分とは、具体的な例でいえば、銀行に借りている借金1000万円を期限が来たから返すけど、また1000万円貸してね、みたいな感じでしょうか) 確かにこういう状態では市中に出回っている国債はほとんどなく、国債暴落などあり得ません。
2016年度予算についても、高橋さんは次のように切り捨てています。国債費が23.6兆円計上されているが、債務償還費13.7兆円、利払費9.9兆円だが、9.9兆円の積算金利は1.6%で実際の金利と乖離があまりにも大きい。(現在、長期金利は0.3%ほどなのだ)これが予算の架空計上で年度後半にわざと不用を出し、補正予算とかの財源にするのだ、と。財政危機をあおりたい財務省は国債発行高をわざと膨らませ、債務償還費と利払費の空積みで国債発行高を15兆円程度過大にしているという。
ここまで書いてきて、だんだんハラ立ってきました。消費増税なんて本当に必要なのでしょうか。そりゃ、税収は多ければ多いほどいいでしょう。財政の自由度が上がるから。財政が硬直化してしまうと財務官僚の裁量分が少なくなってしまう。それ以前に、国民にウソをついて増税の方向に持っていこうとする政府はいかがなものでしょうか。
もちろん、高橋さんの言い分が正しければ、財政破綻というのは当面はない。財務省は国内向けには財政破綻、財政危機を吹聴し、対外的には日本国債は安全だと二枚舌を使っていることが何よりの証拠です。残念ながら、マスコミが財務省に洗脳されている以上、高橋さんの主張が表に出て議論されることはないかもしれません。出たとしても、週刊ポストとか現代止まりでしょう。文春あたりが正面から扱えば少しは世論も動くかもしれない。やはりこの国は官僚に支配されているのだと痛感した次第です。
対外証券投資(主として米国債):91.7兆円
独法などへの出資金:58.2兆円
地方自治体などへの貸付金:155兆円
年金の運用寄託金:121.4兆円
このうち、問題なく「埋蔵金」とみなせるのは、為替介入で買った1だけだが、財源は財投債なので、赤字国債の償還には使えない。2は独法の資本金なので、法改正してその独法を解散しないと返ってこない。3は地方債や政府機関への債権だから、これを取り立てると地方などの財政が破綻する。
年金寄託金は資産どころか、社会保障特別会計と合算すると、約900兆円の積立不足である。これに医療保険380兆円、介護保険230兆円の赤字を足すと、社会保障の「隠れ債務」は1500兆円を超える。OECDやIMFが国際比較に純債務ではなく粗債務を使うのは、資産評価にこうした恣意的な要因が多いからだ。
日銀が国債をすべて買い占めれば「連結ベース」では資産と負債は相殺されると高橋氏はいうが、社会保障特別会計と連結したら、上のような金融資産をすべて清算しても、連結ベース(一般政府部門)の純債務は2100兆円を超す。このうち社会保険料の積立不足は、保険料の値上げか増税でまかなうしかない。
無限に国債を増発して、すべて日銀が引き受ければ「無税国家」ができるが、そんなことがありえないのは、日銀の岩田副総裁のいう通りだ。「金利が上がってインフレになったらインフレ目標で止める」というが、2%のインフレ目標も実現できなかった岩田氏や高橋氏の話を誰が信用するのか。」
あ悪名高い池田先生のblogから抜粋ですが、色々な意見がありますね。
その人の属性ではなく、発言の中身をちゃんと吟味したほうがいいですよ。
財務省の陰謀論を吹聴してるのは、自分が追い出されたからっていうのと、こういうヨタ記事の方が分かりやすくて受けがいいからでしょう。
Aさんという人がいて個人で1億円借金を背負っているとする。個人で1億円も借金を背負っているというのなら、これは大事。
しかしAさん、貯金も持っていて、Aさん保有の貯金額は9500万円だったとする。この場合Aさんの実質的な借金(純負債)は500万円てこと。住宅ローンよりもずっと少ない借金額でしかないということになる。
これだとAさんの借金については「たいしたことないじゃないか…」、となるわけです。
財政というのは借金だけ見ても仕方が無いわけで、貯金や保有する不動産資産についても見ておかないと、財政の状況について正確には把握できないということ。
だったら、日本政府保有の貯金はいったいいくらなのかというと、2015年3月の時点で550兆円くらい。(内訳は内外投融資金と社会保障基金そして外貨準備金 これらの金額については財務省に直接電話すれば教えてくれる)
で日本政府保有の不動産資産は130兆円くらい。(これも財務省に直接電話すれば教えてくれる)
あと日本政府の100パーセント子会社の日銀の保有している純金融資産(純貯金)は、高橋さんによると248兆円。(これ、日銀に電話すれば教えてくれるから間違いない数値と思われる)
あと、日本政府の不動産資産は現在130兆円くらい。(これも財務省に電話すれば教えてくれる)
で、現在の日本政府の借金の残高は1060兆円くらい。
差し引き132兆円。
この132兆円というのが日本の国の本当の借金額。
「なんだ、たいしたことないじゃねえかwwwwwwww」
て、こと。
要するに「日本の国の財政は危機的だ」という話は大間違いだということ。
それで、なんで「財政危機論」をめぐって財務省の陰謀だという話になるのかというと、財務省だけど、借金の額しか提示しないで「財政危機だ大変だ」て騒ぐから。
借金だけではなくて、ちゃんと貯金や不動産資産も提示して、債務の額と合わせて日本の国の財政について述べなければならないのに、財務所の役人どもは、貯金や不動産資産を無視して借金の総額のみを提示して「国の借金は巨額だ」「大変だ」て騒ぐから、「財政危機論は財務省の陰謀だ」てことになるわけですよ。
陰謀というのはあまりに幼稚で粗雑だけど、まあ、確かに陰謀という言い方もできますね。
たとえば外貨準備金、これ、円高が急進したとき財務省が為替市場において円売りを行って得たドルの合算値だけど、円売りの際に用いる円は短期国債で調達されるわけです。つまり国の借金です。でこの借金で調達した資金でドルを買っているわけで、このとき買ったドルの合算値が外貨準備金で、要するに日本政府は借りた金で貯金をしたようなもの。
で、財務省だけど、貯金目的の借金(貯金である外貨準備金を生み出す借金)まで純粋な借金としてカウントして国民を脅すネタにしているわけで、やり口がきわめて悪辣だということ。
つまり、繰り返すけど「財政危機論」は嘘っぱちであるということ。
それは財務省だけではなくてマスコミも総出で日本国民をだましているということ。
この件については、財務省およびマスコミは日本国民方の厳しい糾弾を受けなければならないということ。
で、年々積み重なる政府赤字について。
増税や国債発行額の縮小といった緊縮財政と、増税の据え置きおよび今よりも国債発行額を増やして積極財政を採用するのと、どっちが日本の国の財政の赤字を減らすのに有効か? ということになる。
で、私としては、積極財政のほうがはるかに国の赤字を減らすことができる施策だと判断するわけですよ。
というか、GDPを増加させていく積極財政以外、政府赤字を減らす方法はありません。
国債が消化できたとしても、通貨の信認は落ちる
つまりインフレになる
額が多きれば大きいほど、影響は大きくなる
日本の債務残高はGDPの200%を超えた
GDPを増加させる方法とは一体何なんだろう?
いずれ日本の通貨は叩き売られることがあると思う
巨額の借金を抱えている気の毒に見える人がいたとして、だからみんなでカンパして助けてあげることになったとして、しかし実はこの人、抱えている借金も巨額だけど持っている貯金も同じくらい巨額で、だからこの人、借金についてはそれほど深刻な状況ではないのだけど、にもかかわらずこの人は保有している貯金のことを隠してカンパを募っていた。
これではカンパに応じた人たちは詐欺にあったようなものだよね。
財務省のやり口もまったく同じ。
財務省だけど、「日本の国の借金は巨額だ。だから日本国民はカンパを増やせ(増税を受け入れろ)」と日本国民を脅しつけているわけだが、実は日本政府(日本の国)だけど、資産も巨額に保有していてその額は借金の総額に匹敵する、てことだから。
で、財務省のキャリア官僚どもは国の貯金と不動産資産の存在を意図的に隠して、日本国民にカンパの増額(増税)を強要しているわけで、これを悪質、あるいは詐欺行為と言わずしてなんといえばいいのだ?
んで、アンチリフレとああ、オマエたちは財務省のイヌなのか?
“ああ”よ、オマエは「日本の債務残高はGDPの200%を超えた」と書いている。しかし日本の国が保有している貯金と不動産資産資産を合わせた額もそれに匹敵するということだ。
どうしてオマエたち破綻論者は国の資産について無視するんだ?
自身のことを卑劣、もしくは知的退廃だと思わんのか?
膝つきあわせ帳簿を前にして確認しながら議論するしかないだろうね。高橋説も一方交通のブログ表明だけでは限度があり、多くの疑問点に回答できるかどうかです。
このような言説は、日本はまだまだ大丈夫だと思いたい人や、日本はまだ経済大国だという幻想に浸りたい人にとって一定の需要があることがわかっているのでしょう。
彼の真の目的は本を売ることですよ。