1308.老後不安をあおる人たち |
昨年は、老後不安とか、下流老人などの言葉がはやりました。流行語大賞にはならなかったですね。あまりに暗いからでしょうか。ただ、老後不安をあおるような情報が氾濫してきたように思います。「長生きのリスク」という言葉で不安をあおる。「長生きのリスク」という言葉が流行るのはなぜか。それは、多分、老人が死ななくなったから。今どき、80代の年寄りなんてザラにいます。80歳などもはや「長生き」とはいわない。「年取ってカネがないのはみじめだから…」これもよく聞きます。おカネにすがりたい、という気持ちは理解できる。例えば、60歳の人が90歳で死ぬまでに9000万円の生活費がかかるという。もらえる年金は、平均5400万円程度だから、足らずの3600万円弱の貯蓄(自己資金)が必要だという。そうなんでしょうか。
年金に関していえば、年金定期便がありますし、年金事務所の相談窓口に聞けば、一般的なことは教えてくれます。街角の年金相談室というのもあって、社労士などが具体に相談に乗ってくれます。年金は複雑でわかりにくい、と思っておられる人があまりに多いのですが、それは制度改正が頻繁に行われているからです。コツをつかめばそんなに難しくありません。私は独立系のFPなので、年金に関しては聞かれることがよくあります。どういう相談が多いかというと、繰り上げ支給を考えている人が多い。
基本的なことをいえば、60歳で定年退職しても、65歳までは再雇用とかどんな形でもいい、働くことです。大学卒の人や事情があって就職するのが人より遅かった人は国民年金を40年かけていない人も多い。できれば厚生年金をかけてくれる事業所で働き、65歳からもらえる年金額を増やすことを考えたほうがいいと思います。
日本の年金というのは、3号被保険者の制度があって、専業主婦やパートタイム労働者の年金は国民年金しかない。これでは少なすぎる。日本の年金制度は夫婦セットが基本になっています。夫の国民年金+夫の厚生年金+妻の国民年金、これでようやく20万~22万くらいになる。しかし、単身世帯には厳しい。結婚しない人や熟年離婚が増えている現代に、制度そのものがそぐわなくなっています。
40歳をすぎれば、老後のための積み立てを始めるべきだと私は思います。妻帯者だったら、50歳からでもいいのですが、早いにこしたことはありません。そして、妻も働く場合はパートタイムではなく、厚生年金に入れる事業所を選ぶべきです。個人年金を進めてくる営業外務員がいますが、これは手数料を保険会社に抜かれるだけなので得策ではありません。
老後の生活費がいくらかかるか、というのは一概には言えません。その人のライフスタイルというのがありますから。ただ、退職して急に生活の質を落とす、というのは苦痛を伴いますから、なるべく早い時期に老後のライフスタイルに慣れておく練習をするほうがよいのではないかと思います。
以来、如何にしてこの国に税金を払わずに自分の資産を守り増やしていけるかに腐心しました。
そして私は完全にこの国のガバメントを見限って移住しました。逆説的に言えば、ナントカ便のお陰で見限れたのかも知れません。
このようなページを見つけました。要介護1、2の生活援助サービスを全額自己負担にすることを検討しているようです。これではますます家族は介護に追われ、大変になる。要介護1、2の高齢者を抱える世帯は多いはずです。更なる高齢化の進展で、今後も改悪は続くでしょうね。こんなのでデフレマインド払拭とか言ってるんだから、チャンチャラおかしい。多少溜め込んでいたって、親が介護必要になったら、あっという間に飛んでしまう。その果ては介護疲れ殺人ですよ。既にあちことで起きていますが、それが日常的になる。
庶民の貯蓄信仰と勤勉、従順さをいいことに、お金がないのに借金をしてまで不必要かつ上乗せ価格でインフラ整備で土建屋が潤ったり、公務員や虎ノ門を増やしたりその待遇を上げて天下を謳歌した結果の1000兆円でしょう。
NHKで奨学金の問題がクローズアップされるそうです。
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「“それでも学びたい” 奨学金に揺れる母と娘」
http://www.nhk.or.jp/docudocu/program/3356/2075040/index.html