1355.未知数というより不確実性が高いドナルド・トランプ氏 |
株価がこのまま好調を持続していくか、それはわかりません。しかし、経済というのはいったん動き出したらなかなか止まらないものです。アベノミクスの例もある。トランプ氏は政治のシロウトといわれ、有力政治家や学識者の知己もいないという。共和党内にも反対勢力が多いらしい。何かのきっかけでスベリ始めたら、足を引っ張る連中が多いかもしれません。しかし、トランプ氏は孫正義氏と取り引きし、蔡英文台湾総統と電話会談するなど行動が早い。なかなかの策士なのかもしれない。
米国は減税とインフラ投資への期待から長期金利が上昇し、その結果、ドル高になっていることは周知のとおりです。世界的にも投機資金はドルへ向かっているようです。来年1月20日にトランプ氏が米国の大統領に就任予定ですが、この流れは変わらない可能性もあります。しかし、このままドル高の流れが続けば、米国の貿易収支は悪化していくため、抑制策を取るかもしれません。これまでの彼の言動からもドル高を容認するとは思えないからです。この結果、ドル高の流れは止まり、円安に逆転する。とまあ、このあたりが経済通の読みではないでしょうか。FRBのイエレン議長も金利を上げにくくなるでしょう。
経済以外の面ではわからない面が多い。日米安全保障以外でも中東問題をはじめ、対中・対ロシア政策など直面する外交課題も多いし、国内的にも選挙公約とのバランスをどうとっていくか、という問題もあります。彼のブレインについてはよくわかりませんが、未知数というより、不確実な部分が多いというべきではないでしょうか。もうまもなく年末年始の休暇に入りますが、冬休みは、トランプ氏のことを勉強してみたいと思います。
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