345.個人向け国債が依然大人気 |
さて、5年物固定型は5年間の利子総額が購入時に確定し、半年毎に利子を受け取るのに対して、10年物変動型は当初半年間に適用される金利に限って発行時に決まっているが、2回目以降の利子はその時々の市場金利に連動して見直されます。この点がインフレ時に強いといわれている点です。
絶好調の個人向け国債を尻目に、今後、日米の金利差が縮まり、円高が進むとの見通しから、外債建て債券や外貨預金が急減しているようです。(同日経紙面より) 日本国の政府債務の問題がハイライトされ、円安に進むという円安信仰は、単なる願望だったのでしょうか、それとも外貨建て金融商品 (手数料が凄く高い) を売るためのセールストークだったのでしょうか。
というのは、年末から今月にかけての株式の暴騰落でもそうですが、外国人は日本を投機市場としてしか扱っていないと、私は思っています。
今、外国人が日本債権の買いに走っているということは、来年あたり、一転して利益確定の売りに走る可能性もあるのではないでしょうか。そうなると、日本の投資家は、また高値掴みさせられたことになり、債権の暴落による金利上昇も招いてしまうのでは、という不安です。
世界の株式市場だと、時価総額の内訳は、おおよそ米国50%、欧州30%、日本10%、その他10%だそうです。
個人的な感覚で述べさせてもらうと、個人であれプロであれ、運用資産の10%程度は、投機的な運用で利鞘稼ぎをしようとする傾向(悪い癖)があると思います。
そうすると、外国人投資家にとって、日本市場は適度な投機対象になるのではないでしょうか。多少の投機行動くらいではショックを与えない程度の規模です。政情も安定しており、安心して投機行動ができるという風に考えていると思います。
いずれにしても、一時期あった円安信仰は、上手く財務省と銀行に騙された感じですね。国家財政破綻の危機を煽ることによって増税の足場作りを行いたい財務省、円安ブームに乗って外貨預金や外貨投信で暴利を貪る銀行、いつの時代も何も知らない庶民、というか、ちょっと知っている気になって行動を起こす庶民が業者やマーケットの食い物にされます。
内外金利差もあって、今後、大幅な円高になるのは考えにくいですが、一部の人がいうようなハイパー円安は暫くはないでしょう。ハイパー円安を信じる人は一度、米国に行って買い物をすると良い。円換算した米国の物価が如何に高いかを感じるでしょう。ハイパー円安になるにしても、購買力平価の関係で、それは相当に先の話だと思います。