359.国の骨太方針の楽観ムード |
今時点では、福祉目的税だとか、食品を据え置く、などの案が錯綜しており、税率アップは、上の②又は③のいずれかに落着すると思いますが、前回1997年が3%→5%アップだったことから、 ③の5%→10%は、単にキリがいいというだけで (消費税の暗算も容易でしょうが) 一気に税率倍増するには国民的合意が必要かと思います。
また、国の累積債務を圧縮するために、2015年度末までに、国の資産を140兆円圧縮する方針を決めたそうです。(7/5日経)、国有資産などを処分していけば可能と試算したようですが、問題は、これが1回限りしか使えないことです。仮に140兆円を数年かけて圧縮可能としても、単年度の赤字増加額や、ヘタをすると数年分の金利払いで吹き飛んでしまう可能性もあり、過大期待は禁物です。また、実際何年かけて処分するのかがわかりませんが、これだけの不動産が一気に市場に出ると、供給過剰で土地価格はさらに暴落する可能性があります。日経紙では、証券化の可能性に言及していましたが、証券化できる資産はごく一部分 (公務員宿舎や一部の未利用地など) などであるとして、効果を疑問視しています。国道や堤防敷地は国有資産としても売るに売れませんでしょうから、やはり試算は甘い。政府・与党の財政再建策はその効果がはなはだ困難といわざるを得ません。「骨太の方針」はやはり、国民へのあめ玉でしょう。もっと恐ろしいムチが待っているのではないでしょうか。
★3%という高めの成長率を継続して見込んでいるので、もうこの前提からして崩れる可能性大ですね。
以下引用---
夕張は借金踏み倒せ 道議会で板谷氏 貸し手責任にも言及
「夕張市は借金を踏み倒せ。これで一気に解決だ」-。
六日の道議会総合企画委員会で、自民党・道民会議の板谷実氏(苫小牧市)が、 同市の財政再建団体入りに向けた財政再建計画づくりの支援に苦慮する道に対して私見をぶちまけた。
板谷氏は、自治体財政は国も関与しているから破たんしないという前提で、 同市に資金を流し続けた金融機関を批判。 (中略)
別の幹部は同委終了後「公の場であんな暴論を…」と当惑気味。 同市が債務免除を求めれば、金融機関が他の自治体向け融資にも慎重になり、混乱は全国に波及するからだ。 (以下略)
北海道新聞 2006/07/07 01:15
引用終わり---
今回は「自民党執行部による作文」とでもいうのでしょうか。
全く、生活実感から乖離した、
危機感もなければ、
あまりに楽観的な成長率見通しに基づいた、
政略が見え見えすぎて恥ずかしいほどの作文です。
こういう、論理破綻の計画を、芝居がかって国のレベルでもっともらしく演出している国とは・・・
それを訳知り顔の国民が何も言わずに見ている・・・
国民の当事者意識のなさ、国民の政治への諦観・・・なんでしょうか。