385.日本国債は本当に不安はないのか (その2) |
日本国債の暴落については、すでに財政当局も懸念しているようです。アカデミックな研究の中にも、「日本の財政運営がこのまま継続すれば、政府債務は持続可能ではない、と結論づけたものも多い」と高田創・住友謙一氏は著書「国債暴落」の中で指摘しています。とはいえ、直ちに、債務不履行になるわけではなく、「現在の財政運営」をそのまま続けていると、「将来のある時点」で債務不履行になる、と強調している点に注意が必要です。日本国の財政が破綻するかどうかは、今後の国債金利の動向に左右されるのは周知のとおりです。ですから、金利が急上昇しないという前提のもとに、景気が回復し、歳出削減と経済成長 (税収増) により基礎的収支を改善させる、というのが今の政府のシナリオです。今のところ財政破綻を回避するには他のシナリオはありません。
★日本国債の暴落の可能性、増え続ける国債を市場は買い続けることができるのか、など国債について、関心をお持ちの方は是非、同書をお読みになることをお勧めします。2001年11月初版ですので、その後、この本の予測が当たっているのかどうか、という点も興味深いです。誰にでもわかる平易な内容とは申しませんが、私程度のシロウトでも2回読んで、だいたい理解できました。 国債暴落/中公新書クラレ/高田創+住友謙一著/680円+税
ところで、政府のシナリオには論理的な矛盾があるようですね。「金利が急上昇しないという前提のもとに、景気が回復し、歳出削減と経済成長 (税収増) により基礎的収支を改善させる」 ということのようですが、<景気回復=マネーの需要が高まる=金利上昇>となりますから、政府シナリオは論理崩壊しています。つまり”あり得ない前提”を基にシナリオを作成しているだけです。その意図は「国民の認識支配」なのかもしれませんね。この点についてわんだぁさんはどう思われますか?
今まで意識したことがなかった人たちに財政破綻問題を認識させるには効果的かもしれません。
そもそも財政破綻は昔のバブル崩壊が原因だった、現在の政府のせいでは無い・・・ という認識につながるのでしょうか。
しかし、仮にバブル崩壊しなかったら、財政破綻でなくても、もっとひどいことになっていたかもしれないと考えてしまいます。
さて、私もstingさんと同意見で、そもそも財政破綻の原因がバブル崩壊という単純な図式にはなり得ないと考えます。急激な金融引き締めではなく、じょじょに時間をかけて金利を上げていく、土地取引の規制強化や不動産融資の総量規制をしなかったら、急激なバブル崩壊は起こらなかったか、というとそんなことはないと思います。
「愚かな日本の過ちを繰り返すな」がアメリカ金融当局者の合言葉になっていると聞いたことがあります。
ttp://money.www.infoseek.co.jp/MnJbn/jbntext/?id=27bloomberg33aDjHFDlcyL5o
経団連会長、日本の潜在成長率「2-3%の実力ある」
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20060828AT3L2803I28082006.html(法人税を下げろ との主張は頭にきましたが)