432.円キャリーバブル崩壊による世界経済の収縮 |
このような円キャリートレードが加速した場合、円安は輸出企業の業績を好転させるものの、長期的には輸入インフレにつながる可能性があり、過度な円安は好ましいとはいえないようです。この状況を日銀はどうみているのでしょうか。日銀は年内の利上げを見送りましたが、日銀が利上げをしたがっている理由もこのあたりにあるのかもしれません。12月20日付け日経の市場関係者の予測記事によると、利上げは来年の1月ではないかという回答が6人中3人。2月が2人。3月が1人となっています。円キャリートレードの縮小はおそらく、日銀の利上げがきっかけとなるのでしょうが、追加的に連続して行うことは困難で、2007年内に2回程度の利上げに終わるのではないか、という見方もあります。
高橋乗宣氏は著書 (2007年日本経済~長期上昇景気に陥穽あり~) の中で、日銀の短期金利は現在0.25%だが、これは、日銀が巨額の資金供給を行って何とかこの水準を維持している。日銀の買いオペがなければ、短期金利はもっとはねあがっているはずである、と指摘しています。2007年、日本の低金利時代が終われば、世界のマネーフローは収縮し世界バブルは終焉をむかえ、世界バブルの息の根を止めるかもしれない、と警告しています。
金利差は、日米間で5%、米欧間で1.75%。
このところ欧州の金利引き上げで、ユーロが対ドルで買われているように見えます。欧州の景気が好調という要因以外にも、金利差が2%を切ってきたことも大きな要因ではないでしょうか。
円のキャリートレードを解消しようと思ったら、少なくとも欧米との金利差が2%を切るような水準まで上げなければならないということだと思います。あくまでもEUR/USDを例とした相対的な見方です。
トリシェはまだ上げるといっているので、4%位まで上がるとすると、日銀は少なくとも2%まではすみやかに上げたいところですかね。
ゼロ金利は解除されたとはいえ、ご指摘のように、日銀によるマネーフロー供給は続いています。実態を超えた金融緩和は、弊害となりえます。
せっかく金利を上げても、景気が失速してしまえば、ゼロ金利に戻るはめになってしまうからです。2000年のゼロ金利解除の時が良い例です。
3~4年かけて2%まで持っていくのが理想だと思います。
金利を上げる時は、絶対景気に影響(失速)が出ない時を見計らって、超スローペースで行うべきです。
日銀が1995年に緊急避難で公定歩合を0.5%にしてから、11年間も超低金利が続いているわけです。今さら、後数年間、超低金利が続くことに対して目くじらを立ててみてもしょうがないと思います。
異常な状態を早く終わらせるためにも、利上げは慎重に進めていくべきだと思います。
日本には投資に対する軸の異なる2つの集団が存在すると思います。
つまり日本の短期金利に注目する集団と、日本の国家財政とインフレ・大増税に注目する集団です。
前者の勢いが強ければ円高になるでしょうし、後者の勢いが強くなればたとえ金利上昇局面でも円安になると考えています。
どちらの勢いが強いかは予想がつかないですね。ただ去年のように一時的に円高にふれる可能性に期待しています。
先日の日経新聞の記事で気になったことは、「中長期債の資金は日本にかなりの金額が還流している&外人は国内で調達した資金で日本株を買い越しているので外国人の動きは為替の動きに影響は少ない」
にもかかわらず、ここまでの(短期的には予想を超えた)円安はやはり庶民レベルでの“儲かりそう”という外貨信仰が強くなっている結果でしょうか。
個人投資家の株投資熱は盛り下がったままのようですし・・・販売窓口でのボーナスでの外貨商品販売の手応えはどうなのでしょう?
個人的には反動円高のエネルギーが溜まってきてる(東海沖地震がいつきてもおかしくない、みたいな・・・例えが不適切ですね(^_^;)なぁとかんじてはいますが。
長期のスタンスで投資できない方は、株ミニバブルで火傷して手を引っ込め、円安ミニバブルで火傷して手を引っ込めるを繰り返していかれるかもしれませんね。
P.S.「八木」ですか!それは心強いです(^.^)/~~~
・・・すごくローカルな盛り上がりですね、ははは
FXって今そこまで大きな勢力になっているのでしょうか?
今日、「国債の歴史」(富田 俊基著)を図書館(一冊だけ在庫ありまsちた)から借りて読み始めたところです。
難解な問題を、わかりやすく書いていただいている事に感謝しながら、読んでいます。いつまでに読みきるか^^;)。
現時点での、不気味なほど静かな、日本国債の国際市場における低金利の継続が何を意味するのか、ヒントでも得られればと思っております。
原則的には資本移動の自由が保障された中で、この後、日本国債は、どこへ向かおうとしているのか、興味が尽きません。
ここ数年は、おおきな変動がないだろうという、世界的なコンセンサスがあるのでしょう。これが、世界が日本に与えた最後のチャンスと思いす。
増税は避けられないでしょう、行政サービスの低下も進むでしょう。名目的な行政改革の進行はあるでしょうが、実質的な財政改善型の行政改革が起こるかどうかは不明です。
長く歴史に残る変化が始まりつつあるのでしょう。できるだけ、喰らい付いていきたい思います。ペシミストにならずに、解決策を示せるようになりたいものです。
ではまた。
PS.八木の前は三次にもいました。ぎっくり腰の病後が良くなく、3年くらい腰痛に苦しみました。今はだいぶいいようですが。