19.三位一体の改革と地方の窮状 |
三位一体の改革とは、小泉改革の柱のひとつで、補助金の削減、税源の移譲、交付税制度の見直しを一体的に改革しようとするものです。しかし、これらは、財務省主導でバラバラに進み、まず、16年度の補助金を1兆円※削減し、地方交付税交付金も2.9兆円削減しました。とりわけ、2004年度予算の編成作業をほぼ終えた段階(2004年2月)での交付税削減措置は、全都道府県に衝撃を与え、中でも、東北、北陸、近畿、中国、四国など24の府県では深刻な財源不足に陥っています。県単独事業の30%近い削減(岩手、鳥取、島根、岡山、高知)や、職員給与の削減(北海道、群馬、千葉、香川)、財政安定化基金の取り崩し(大阪府など12府県)でしのごうとしています。
今、各種の経済指標は良い、とされています。しかし、企業業績も良いところは良いが、悪いところは悪いというように二極分化しています。個人の収入は伸びていないし、財政政策は、緊縮財政であるため、公共需要は著しく減退し、地方経済は疲弊しています。地方では、景気が浮揚しているとは、とても実感できないのではないでしょうか。まもなく、8月には、財務省への概算要求が始まります。2005年度の国と地方自治体の予算編成は、はたして大丈夫でしょうか。
※補足説明
平成15年6月26日閣議決定「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」
内容:国庫補助負担金について、改革と展望の期間(平成18年度まで)に概ね4兆円程度を目途に廃止・縮減等の改革を行うこととされたことを受け、その初年度として、16年度は「国庫補助負担金等整理合理化方針」の下、約1兆円の廃止・縮減が行われた。