621.第二次福田改造内閣、財政再建タカ派勢揃い |
■消費税上げ、財務相「今秋から議論」「恒久的な安定財源必要」
福田改造内閣が2日正式に発足、各閣僚が初閣議後に記者会見し、今後の政策の運営方針などを示した。伊吹文明財務相は「(政策を)長期間やる場合、恒久的な安定財源が必要。これを暮れの税制改正でやらねばならない」と述べ、消費税率引き上げなどのシナリオを今秋から年末にかけての税制改正論議で詰めていく考えを示した。
福田康夫首相が6月の記者会見で消費税率引き上げについて「2、3年とか長い単位で考えたい」と語ったことに対して、伊吹財務相は「すべての作業が完結するのが2、3年かかるということではないか」と受け止めていることも明らかにした。増税に踏み切る時期については「いろいろと政治的な判断がある」とも述べた。
伊吹財務相は任期切れまで1年あまりとなった衆院の解散・総選挙に関連して、「与野党ともにマニフェスト(政権公約)を出すときは、これからやる施策と財源を明示して国民の審判を仰ぐべきだ」と指摘。「こういう施策に、これだけの財源が必要というシナリオと時系列を示すのが選挙のテーマになる」との見方を示した。 (NIKKEI NET,21:01)
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財政再建タカ派の与謝野馨氏(経済財政担当大臣)を筆頭に伊吹文明氏(財務大臣)、谷垣禎一氏(国土交通大臣、元財務相)らの増税組がそろいましたので、消費税増税を看板に、消費税=福祉目的税化=ただし、税率アップなし、の民主党との対立軸を鮮明にする捨て身の戦法に出ました。明日にでも総選挙をやれるかもしれない態勢です。年齢別にみて高投票率を期待できる60才台、70才台以上に危機感と共感をいだかせるような戦術で与党は揺さぶりをかけてくるものと思います。投票率の低い若い世代のための政策はまたしても切り捨てられるのでしょうか。
民意としては、もう消費税上げてもいいから社会福祉をやってくれ、というところまでは来ていません。むしろ、景気対策や原油をはじめとする資源インフレに対応する速効性のある政策が期待されますが、財政再建のタカ派連中勢揃いではおそらく無理でしょうか。週明けの株価は大幅安になるかもしれません。
国債の削減へと繋がれば、長期金利の上昇は多少穏やかにすることができるかも知れません。
しかし、一方で、既に財政再建派の新閣僚の中からも、原油高、中小企業対策など、今秋にも経済対策が必要との声も出ており、選挙を意識すれば、極端に走るということにはならないんだと思います。
p. 36 で、リフレ派があがめる上げ潮派の中川氏が、財務省埋蔵金30兆円で景気回復、
日本の金利は、正常値3%になると述べています。
リフレ派の想定より高くなっています。
3%の金利に、1000兆円の累積債務は耐えられるでしょうか。
リフレ派は、1000兆円全部を返す必要はないといいますが、
他の先進国波に、半分くらいは返す必要があるでしょう。
そうすると、500兆円が必要となりますが、
中川週刊ポストの埋蔵金30兆円や、『文藝春秋』の高橋洋一元財務官僚の説でも、埋蔵金50兆円では、焼け石に水ではないでしょうか?
借金をある程度減らさなければならないのは事実です。しかし、500兆円をすぐに返すというのは債務額が多すぎて実質的に不可能です。
500兆円を増税で返そうとすれば、日本経済は壊滅状態になり、財政も破綻してしまいます。
経済というのは、直接効果よりも間接効果の方が大きいのです。30兆円もしくは50兆円というのは、借金の額からいけば小さい額ですが、効果的な使い方をすれば、大きな間接効果が得られると思います。
債務1000兆円は巨額なので、成長とインフレで対GDPの債務比率を徐々に引き下げていくしかないと思います。
財政破綻派とリフレ派がいがみあって、得をするのは財政破綻否定派です。
リフレ派が専門用語をあげて、ごまかそうとする常套手段ですね。
名目金利も実質金利もどちらも重要です。
借金返済に関しては、経済学でも、名目金利が重要です。
2%インフレになったから、住宅ローンの返済金利が2%オフになる
なんてことはありませんよね。国家財政も同じです。
リフレ派は、インフレ=好況=賃金上昇、税収増
というご都合主義な仮定があるので、実質金利が下がれば、
問題ないと主張していますが、今の日米の経済を見てください。
インフレなのに、賃金は上昇しないし、不況、スタグフレーションですね。
リフレ派は、インフレ目標ですぐ金融を引き締めるから、スタグフレーションはありえないとか主張していましたが、今のざまをどう説明するのやら。
アメリカは、直近インフレ率5%超にたいし、短期金利は、2%台、
長期国債利回りは4%台。
非常な実質マイナス金利になっていますが、設備投資の盛り上がりは
見られません。
これは、財政出動の乗数効果の事ですよね。公共事業はしないという
リフレ派の趣旨と矛盾していますがね。
Naokiさんはともかく、本物のリフレ派は、日本財政は破綻しないと言っています。財政破綻危惧派とリフレ派は両立しません。
このなかで、景気後退局面だけを輪切りにして論じても意味がないと思います。デフレでない限り、景気後退局面でも物価は上昇しますので、今現在の状況だけを見てスタグフレーションだと断定はできないと思います。問題は、景気後退がどの程度続き、今の通常より少し過熱した物価上昇がどの程度続くかということです。私は、1年後には景気は回復していると思うので、今の状況はスタグフレーションではないと思います。どちらが正しいかは、1年後には証明されると思います。
直接効果よりも間接効果の方が大きいというのは、財政出動の乗数効果に限ったことではありません。経済とは、「すべてがすべてに依存している」ので、何か政策(公共事業とは限らない)が行われたとして直接効果オンリーというこいうことはありえないということです。