毎日新聞は11/10の社説で、「『主婦年金の切り替え漏れ問題』をめぐる民主党の迷走を見ていると、これで社会保障の抜本改革などできるのだろうか」と書いています。知らない方のために少し補足説明しますと、「夫の退職時に必要な切り替えの手続きをしなかった専業主婦らの年金救済問題で、民主党の政策調査会役員会は1日、過去に払いすぎた年金の返還を求めない案を盛り込んだ救済法案を了承した。与党内での手続きが進んだことで、厚生労働省はこれに沿って法案を作り、週明けの閣議決定と、国会提出をめざす方針。ただ、野党はこの問題での対応を追及する構えで、成立の見通しは立っていない。(11/2付け,朝日)」というもの。年金に詳しい長妻昭氏が厚労相のときに、過払い分の返還請求をしないことを決断した、とテレビは報じています。とんだ厚生労働大臣もいたものです。
さて、話は戻りますが、2011年6月30に出された「社会保障・税一体改革」はポピュリズムの極み(きわみ)のような内容です。概要版は、以下で見ることができます。
●社会保障・税一体改革の概要版へ移動するこの内容は、社会保障費のうちの高齢者3経費(年金・医療・介護)は2011年度時点で9.3兆円の赤字になっていて、2015年度にはその赤字は12.8兆円に拡大する。それは消費税5%相当分である、としています。要するに、この赤字分を解消するために5%の消費税率アップがどうしても必要だと主張している。役人の作文では「
当面の社会保障改革にかかる安定財源を確保する」と書かれています。これでは、2015年度以降はさらなる税率の引き上げが必要になり、きりがありません。この改革では、高齢者に不利な改正は一切ありません。高齢者が少しでも負担増になる内容では選挙に勝てないとして与党が認めませんから。
反面、短時間労働者に対する厚生年金の適用拡大や介護保険料の総報酬制の導入、標準報酬の上限の引き上げ、果てには支給開始年齢の引き上げなど現役世代には厳しい内容(改悪)となっています。これでは選挙(次回は2013年)のことしか考えていない改革としか言いようがありません。「今のままでは現役世代には厳しく、このままでは高齢者福祉制度そのものが持たないので、高齢者の方にも痛みを分け合ってもらいます」となぜ言えないのか。この国民にして、この党あり。そのような言葉が自然に思い浮かびました。