233.まず、特別会計を廃止し、公益法人を整理せよ |
井堀教授ともあろう お方がこのようなことを言うとは、笑止千万。このブログの読者の方は、よくおわかりのことと思いますが、一般会計は確かに82兆円(2004年度、歳出ベース)です。そのうち、地方交付税は、16.5兆円、公共事業費は7.8兆円、計24.3兆円。これを20兆円カットせよとは、82.3%の削減を意味します。言っていることがマトモではない。井堀教授は、特別会計を無視し、財務官僚に都合のいいことをならべ、国民負担やむなしとの意識を植え付けようとしているのではないでしょうか。以下に、日本国財政破綻Safety Netとしての見解を述べます。井堀教授と日経新聞は、ぜひ反論のメールを送っていただきたい。
そもそも、国土交通省だけでも、公共事業費は10.4兆円、このうち特別会計は、道路整備特別会計4.8兆円、治水特別会計1.5兆円、港湾整備特別会計0.5兆円、空港整備特別会計0.1兆円、で合計6.9兆円、一般会計は、たったの3.5兆円しかありません。(国土交通省HPによる。特別会計は、松浦武志著,「特別会計への道案内」84~85p特別会計一覧から引用) 2004年度予算は、一般会計の税収は47兆円、特別会計の税収 (目的税)と保険料収入は86兆円なのです。松浦さんの著書によると、特別会計間の重複や一般会計と特別会計間の繰り入れがあって、実際の歳出額は、387兆円である。そして、歳入総額は408兆円で、差し引き21兆円の黒字である、としています。同様のことは、「二極化ニッポン(川又三智彦著)」にも書いています。同著では、2001年度予算の特別会計の歳入が390兆円、歳出は373兆円で17兆円の黒字。
しかも、黒字は特別会計の内部に留保され、外に出てくることはない。松浦さんは、「目に届きにくい特別会計による資金提供が特殊法人などをささえている」書いていますが、実際は、特殊法人だけではありません。国の認可法人である、3,271(2001年10月時点の数) もの財団法人 (公益法人) に流れているのです。このご時世、財団法人のやっている仕事で民間企業に出来ないものは何もありません。公益法人に際限なく血税が注ぎ込まれているのです。ここから先はもう、書くに耐えられません。これが国家財政の姿なのだとすると、財政改革の順序は、①特別会計の廃止と財団法人の整理、②歳出の見直し(公務員給与など)、③最後は、減税、ではないでしょうか。サラリーマン増税・消費税率アップの必要性の根拠をお示しいただきたいと思います。
★公益法人とは、民法34条に基づく財団法人と社団法人のほか、宗教法人、学校法人、医療法人なども広い意味では含む。社会に役立つ活動をしているという理由で原則非課税。所轄官庁が設立を認可し、指導・監督を行う。このため、天下りや不正の温床になっているとの批判が絶えない。(日経経済用語辞典;日本経済新聞社編から原文のまま引用)
★★特別会計の存在について、塩川正十郎前財務大臣は、「母屋(一般会計)でおかゆを食って辛抱しているのに、離れ(特別会計)で子供がすき焼きを食っている」と言っています。
ブログメインの記事233の趣旨といたしましては、なぜ、一般会計だけを問題にするのか、です。特例国債(赤字国債)は一般会計の36.6兆円(2004年度)だけではありません。特別会計でも大幅に国債を発行している。しかし、特別会計では、塩川正十郎氏のコメント(私は、実際にTVで聞きました)にもあるように、贅沢な使われ方をしています。社会保険庁のムダ遣いが一時報道されていましたが、あんなのは、ほんの一部です。82兆円の一般会計の穴がどうのこうの言っているが、実際の国家予算はその4.7倍もある。その特別会計の部分を含めて改革しないでおいて、一般会計だけの歳出削はおかしいし、一般会計に穴があいているから、増税やむなし、という論調で国民を説得するのは笑止千万といっているのです。(by わんだぁ)