1280.日本の財政破綻の時期と対策について |
2015年6月の閣議決定、「経済財政運営と改革の基本方針2015(骨太の方針)」によると、GDP成長率は実質で2%、名目で3%程度以上とする目標が設定されていて、それに伴う税収が期待されていて、財政もこの成長戦略(目標)が前提となっています。しかしながら、日本の潜在的な経済成長率は0.5%程度しかなく、この先、数年間で次第に綻びが広がっていくものと私は考えます。以下、熊野氏のコメントを引用します。なお、( )内は、私の補足です。
・中国は今後も好調である保証はなくむしろ、経済減速の懸念が強まっている。
・最悪のケースとして、東京オリンピックを境に日本経済が没落するシナリオを(一般の人も)想定しておくべき。
・政府債務残高が1000兆円あることよりも、単年度の収支の見通しがつかなくなることの方が危険。景気減速によって、一時的にでも税収が(今より)落ち込めば、日本の財政が緊迫した状況を迎えることは十分考えられる。税収減によりこれから財政の危機はやってくると考えるべき。
・財政不安によって資金の海外移動が(庶民レベルでも)起こる。これまでは国内に貯蓄がプールされていて、金融機関が国債を買うサイクルが成立していた。しかし、富裕層を中心に日本から資産を逃避させる「キャピタルフライト」が起こると円安も金利上昇も止められなくなり、日本の財政は破綻する。
・問題なのは、最悪の事態をもたらす、この「ボタン」がいつ押されるか(誰も)わからないということだ。最悪の事態に備えてどうリスクマネジメントするかが問われている。
さて、東京オリンピック後の景気減速を予想する人は多いわけですが、いつ起こるかはわからない、というよりも、2020年頃に、日本が財政破綻するのではないか、ということが、かなり具体的にイメージできます。これに対応するためにどうすればいいか、という点について、日本FP協会と熊野氏の意見は、次のようなものでした。
・物価上昇を目指す政策が進められているのに金利はゼロを這うような状況。資産や収入の実質的価値が目減りしていく中で円建て資産のみでポートフォリオを組むのはリスクが大きい。(白根氏)
・財政不安に対する資産防衛策の一つは外貨を持つこと。現在暴落している多くの通貨はかつての高金利通貨だった。日本の財政に不測の事態があったときの保険的な位置づけとして外貨を持つなら、シンプルに世界経済で最も強い米ドルで保有するのが望ましい。(熊野氏)
・高度成長期のような局面ならば、株式の長期保有でもよかったが、昨今のマーケットは変化のサイクルが短く、変化率も大きくなっている。日本の財政問題も楽観視できない。常にマーケットを注視し、必要な時にはリバランスを行うなど果断に投資行動をとることが欠かせない。(白根氏)
特集記事を要約すると、以上のような内容でした。日本FP協会のスタンスがおわかりいただけたでしょうか。財政破綻はもはや避けられないものとして考える、そしてそれは、2020年頃にやってくるのではないか、と私も同様に思います。皆様はどのようにお考えになりますか。
いままで「オオカミ少年」だったから、今後も予想が外れ続けるという訳でもないでしょう。
今後、自分の資産では外貨比率をあげてもいいと考えます。どうせ全額ドルにできるわけではないし・・・。
日本FP協会、非常にごもっともな記事の内容だと思います。これからの資産運用と言うのか資産形成と言うのかで、財政破綻を考慮しないFPはパチもんだと思います。
個人的には、みんなが2020年を意識している訳ですから、それより一年でも二年でも早く、日本株運用の成功体験から脱却して、次の状況に対応できるように考えていきたいと思います。