1286.年末ご挨拶 |
年寄りは長生きし、若者は結婚しないし、子供も生まれない。日本はそういう世の中になったということです。10年スパンでみると日本はもの凄いスピードで人口が減っていき、高齢者は爆発的に増える。もう90歳以上長生きする人も珍しくなくなりました。こんな時代に実質成長率2%という目標は難しい。人口が増えている米国でさえ成長率は2%に届かない。まあ、円安になれば名目成長率2%は達成するかもしれない。でもそれは悪い物価上昇です。
日経電子版に記事をよく書かれている東短リサーチ社長の加藤出さんの分析は的確です。彼は2015年12月20日の電子版によると、もう日銀はバズーカは撃てないのではないかと見ています。「現在の日本経済の最大の懸案事項は、過去最高収益の企業が多数ありながら、賃上げや設備投資に積極的になれない経営者が多い点にある、と日銀は見ている。キャッシュフローは潤沢なのに、それが国内で有効活用されていない。その最大の原因は、人口減少が続く中で、2020年の東京オリンピック以降の日本経済の先行きに展望が持てない経営者が多いことにある。つまり、日本の先行きの成長に期待することが難しいため、設備投資は加速しないし、賃上げを積極的に行ってまで採用を拡大していこうとする企業が増加しない」
いかがでしょうか。もはや経済成長期のかつての日本ではない。また、2020年というのは心理的な節目でもあるし、東京オリンピックという国家的イベントもある。多くの予想屋や破綻論者の中には2020年後が危ないと言っている人も多いわけです。2015年という節目の年が終わり、2016年と破綻に向けて1年が踏み出すことになる。Xデー、それがいつ起るかは誰もわからないが、起ることはもはや避けられないように思えます。
さて、2015年も間もなく過ぎ去ろうとしています。今年も1年間、財政破綻に関するこのブログにアクセスして下さりありがとうございました。皆様どうぞよいお年をお迎え下さい。
2015年12月31日 湾田雄三(わんだぁ)