1314.増税延期カードは最後の株価対策 |
安倍晋三首相は24日の衆院財務金融委員会で、来年4月に予定する消費税率10%への引き上げについて、世界経済の「大幅な収縮」が起きれば中止する政治判断もあり得るとの認識を示した。首相はこれまでに、再増税を延期するケースとしてリーマン・ショックや東日本大震災のような事態が起きた場合を挙げて説明していた。ただ、首相は予定通り再増税を行う考えに「変わりはない」と強調。その上で「10%への引き上げを確実に行うための経済状況を作り出すという決意の下、経済財政運営に万全を期していきたい」と述べた。
政府は消費税率10%への引き上げを当初は2015年10月に行う予定だったが、2014年11月に首相が1年半延期することを表明した。その際、景気が悪化したときに増税を停止できる「景気条項」は削除した。
これに対し、首相ブレーンの本田悦朗内閣官房参与らは、消費への影響に配慮し、再度の延期を求めている。首相も「(本田氏から)そういう話は何回かうかがっている」と述べた。一方、麻生太郎財務相は24日の同委で、消費税10%への引き上げについて「重大な事態が発生しない限り、確実に実施する」と改めて強調した。「重大な事態」の例として、雇用や企業業績、株価を挙げたが、「具体的な基準で申し上げるのは極めて困難だ」と述べた。共産党の宮本岳志氏への答弁。
この首相の答弁を見た限りでは、増税延期はしないようにも聞こえます。今回の株価の下げだけをみると、リーマンショック級といってもさしつかえないのですが、今のところ世界の金融機関が潰れ出し、金融不安が高まっているような状況ではありません。政府サイドとしては、金融で経済の下支えをさせ、その間に構造改革をやっていこうという考えだったと思いますが、これはうまくいっていない。2017年4月の消費増税の決断時期はまだわかりません。今国会では、「軽減税率」の議論さえまだ行われていない。軽減税率を導入するのであれば、準備期間が必要になる。いつ判断するのでしょうか。
2014年11月初めの日経平均株価は、16,862円、月末は17,459円でした。消費増税の延期を決断した時より今のほうが明らかに悪くなっている。株価、為替、金利のどれをとっても不安定になっています。もはや金融政策を発動しても効かないことから、消費増税延期の判断はおそらく、最後の株価対策になる。このカードを温存し、最も効果的な時期に切ろうとしているのではないか。今まだ2月です。増税延期云々はまだ早い。ギリギリまで引き延ばして、選挙の争点にする可能性もある。その場合は7月に衆参同日選ではなく、4月解散となるかもしれません。
2014年10月31日、まさに前回の増税延期を決断したタイミングで黒田日銀は、量的・質的緩和の拡大を行った。10/31の日経平均株価16,533円は、2015年6月24日の20,952円まで上げていく。増税延期と日銀の緩和拡大の効果といってもいいでしょう。今回も再延期はかなり高い確率で有り得ると見ます。

かつて金融不安が高まったとき、国内消費を喚起する景気対策の一環として、時限的に消費税率を引き下げ、消費者の心理的効果に働きかけるよう、提言した大学の先生がいました。付加価値税については、カナダで税率を引き下げた実例もあるようです。
>ギリギリまで引き延ばして、選挙の争点にする可能性もある。その場合は7月に衆参同日選ではなく、4月解散となるかもしれません。
新聞協会は、外国の付加価値税では「ゼロ税率」が適用されている例を冊子で紹介して、「現状の税率に据え置いてほしい」と懇願してきました。一方では、軽減税率を導入するなら、「財源をどうするのだ」と批判しているわけですから、マスコミですら消費税に対するヴィジョンが見えない。選挙の争点にされても、マスコミはきちんと報道できないと思います。
マスコミが、たとえば、【1】日本にも「ゼロ税率」は存在していることを通して、日本の消費税のシステムを説明する。
【2】日本は消費税を全額社会保障のための目的税としました。しかし、消費税を中心とする付加価値税はどこの国でも「基幹税」であり、「目的税」にしている国など、実は世界のどこにも“無い”。 なぜ? マスコミは正確に報道していません。
“消費税収の約2割”もの巨額の税収が、トヨタなどグローバル化した輸出大企業を中心に“還付”されている実態があると、専門家は指摘しています。
「社会保障目的税」にしたからには、「輸出免税(ゼロ税率)」という消費税法第7条の規定を見直す。“社会保障の財源”である消費税収を輸出企業に吸い上げられないように消費税収を確保して、消費税率の上昇を抑制する。そのような問題提起により、日本の消費税のシステムを説明することだって出来るはずです。
>増税延期と日銀の緩和拡大の効果といってもいいでしょう。
家電量販店の液晶テレビに代表される家電製品、生活用品が、品質や性能が向上しているにもかかわらず、価格はむしろ下落し続けています。デフレは、日本をはじめとする先進国が海外に生産拠点を移し、材料費や低廉な労働力を求めたことが原因であり、先進国の資本と技術の流入が、さらに生産性の向上をもたらしていることが原因であると認識しています。どうしてデフレを金融政策で解決できるのだろうか?経済学の素人には、一番、わからない点です。









