1349.姑息な年金制度改革の闇、マクロ経済スライド |
そもそも「マクロ経済スライド」って、わかりにくい言葉だと思います。年金の考え方は、その時の年金収入をその時の支払いに充てるという、いたってシンプルなものです。(これを賦課方式という)実態として、何人かの現役世代が年金受給世代を支えている。少子高齢化が進み、最悪で1.1人で1人を支える、という時代がきます。(理論的にはそうなる。実際はあり得ない話ですが)マクロ経済スライドというのは、調整率を当面-0.9%にすることが決まっていて、賃金の上昇率が例えば1.5%だったとしたら、年金の引き上げ率は調整率の0.9%を引いて0.6%にします、というものです。この0.9%というのは、年金を支える世代が減っていくので、その率を算出したもので、将来的には調整率は増えていくのは確実です。何年か毎に改定が行われて少しずつ大きくなっていく。だって、年金制度を支える現役世代の人口は減る一方ですから。仮に一律0.9%下げると、総額で1兆円近い減額になりますから、これはもの凄く大きな額です。
ちなみに「マクロ経済スライド」というルールはもう法律で決まっていますから、騒いでも仕方ない。今回の改正は、物価が上がって賃金が下がった場合、据え置くとしていたルールを賃金動向に合わせて引き下げるというものです。(2021年度から実施)これは、現役世代との公平性からしてやむを得ないものではないでしょうか。「年金カット法案」とまで言うのは言いすぎだと思うのです。それとも *日本民進党は「何でも反対」なのでしょうか。まるでひと昔前の日本社会党のコピーを見ているようです。
いずれにいたしましても、年金制度改革を根本的にやるというのは今となっては、ムリです。それにしても、11月27日の日経電子版によると、世論調査では、今回の「国民年金改正法案」に対して、反対が57%、賛成が29%、わからないが14%となっていて、反対意見が圧倒的に多くなっています。野党の主張する「年金カット法案」というネーミングに引っ張られているのでしょうか。心情的には今回の改正案については、致し方ないのかなあという、あきらめの境地です。
*民進党のアタマにわざわざ、「日本」とつけているのは本家台湾の民進党と区別するためです。代表の蓮舫議員は未だ、二重国籍問題についてうやむやにしたままです。