1391.アベノミクスがコケるとき日本もコケるのではないか |
最近の各紙世論調査で、安倍内閣の支持率は概ね10ポイント程度下げ、政権発足以後最低レベルになっています。毎日新聞社を除いて、支持が不支持を上回っているものの、安倍内閣発足以来、最大の危機といっていいでしょう。もっとも国会は閉幕し、悪材料出尽くし感もあって、株価は大幅に上げています。2万円台の値固めに入った様相を呈しています。
加計学園の問題ですが、どんな文書が文科省内部から出てこようと官邸とは何ら関わりが無い。やがて潮が引いていくように忘れられていくでしょう。人々の関心は1週間は持たない。ワイドショーも数字が取れなければ、次のネタを探しに行く。IR(カジノを中心とする統合型リゾート)だって、改憲発言だって、「共謀罪」法案の強行採決だって、みんな1週間持たなかったではないですか。都議選まで2週間を切ったこともあり、次の1週間は、おそらく小池都知事あたりが話題の中心になるではないでしょうか。それが終われば、内閣改造ですか。いや、そんな先のことはわかりません。
経済ネタというのは庶民ウケしないので、よほど大きな事象・事件以外はトップで取り上げられることはありません。その中で「アベノミクス」は細々とではありますが超ロングランで続いています。旧3本の矢は、第一の矢の金融政策だけでここまで株価を持ち上げ、失業率を下げて成功しましたが、残りの2本はサッパリだった。新3本の矢にいたっては、3つ全部、言える人は少ないのではないか。経産省官僚の書いた理念先行だけの作文はアタマにスッと入ってこない。しかし、アベノミクスを否定できる人もこれに替わる別の政策もありません。アベノミクスがコケると何となく大変なことになるのではないかと薄々みんな感じ始めているように思います。アベノミクスの失敗とはすなわち安倍首相の失脚です。
安倍首相の失脚すなわち、アベノミクスの失敗は国内外とりわけ海外投資家からの失望をかい、日本売りのきっかけになると見ます。トリプル安くらいではすまないかもしれません。日本の信用は失墜する。また安倍政権では先送りにしていた財政問題が火を噴く可能性もある。そうなれば日本はただではすみません。しかし、国内に目を転じれば、ポスト安倍が見当たりません。ワンポイントリリーフなら麻生副大臣あたりかもしれませんが、適任者がいない。小泉進次郎は30代半ばとあまりに若い。まだ海の物とも山の物ともつかない。ともあれ、安倍首相もそろそろ、最後の仕上げにかかるべき時かと思います。いい形で次に引き継いでいただきたいものです。
言われるように内閣支持率の低下は不気味だ。商業マスコミに誘導されるとるに足りない小事にたぶらかされやすい国民性があると思う。
とにもかくにも経済アベノミクスを頼るしか方法はないだろう。外交もそうだ、先ずうまく対応しているのではないか。
隣国から反日攻撃され、また核ミサイルに脅されている緊迫した国情にあってこれに対応するには相当の忍耐が要求される。首相においては内閣の質の維持に努められ内外の政策変調をきたさないようにしてもらいたい。