日経電子版FT、4/3付けに、「トランプ米大統領は、中国が北朝鮮政府への圧力を強めなければ、北朝鮮の核の脅威を取り除くために米国が単独行動に出ると警告した」という記事が掲載されていました。さらに、「マクファーランド大統領副補佐官(国家安全保障担当)は別のFTとのインタビューで「トランプ政権の1期目が終わるまでに北朝鮮が核ミサイルで米国本土を攻撃できるようになることは現実にあり得る」と話した」と続きます。一連の記事を読んだ限りでは、トランプ氏は、中国が北朝鮮問題に協力するかどうか、貿易問題を取引材料に駆け引きをしているようにも見えますが、「中国抜きで北朝鮮問題に(単独で)対処することもあり得る」とも述べています。
一方、3/24付けのロイターのwebサイトでは、「ティラーソン米国務長官は今月、北朝鮮に対する「戦略的忍耐」はすでに終わり、同国の核開発の野望に歯止めをかけるために「あらゆる選択肢がテーブルの上にある」と警告した。その言葉通り、米韓両軍の部隊は幅広い軍事シナリオに向けて準備を進めている。これまでのところ、攻撃実行を決意した大統領は1人もいない。これは主として、北朝鮮の報復によって朝鮮半島と、恐らくはさらに広い近隣地域を血の海に巻き込む可能性を考えれば、どの選択肢も好ましからぬものだったからだ。さらに悪いことに、かつての朝鮮戦争がそうであったように、半島における武力衝突によって米国が中国との戦争に引きずり込まれる可能性さえある。だが、金正恩朝鮮労働党委員長が率いる北朝鮮が核弾頭やミサイル実験を進めるなかで、多くの専門家は、米国政府が最終的に軍事行動に踏み切る可能性は徐々に高まっていると考えている」何やら物騒な記事です。同記事は、「トランプ氏は米国の歴代大統領のなかでも最も予測困難な人物の1人だ。北朝鮮に対する軍事的選択肢を行使するというリスクを冒すような米国の指導者がいるとすれば、それがトランプ大統領だったとしても不思議はない。厄介な選択だ。行動することが惨事の引き金になる可能性もある。だが、何もやらないままでは、さらに悲惨なものとなるかもしれない将来の紛争を招いたと、非難されることになるかもしれない」と結んでいます。
もっとヤバイ記事があります。「北朝鮮の労働新聞は3日付の論評で、「世界は遠からず、宇宙開発分野で北朝鮮がどのような重大な成果を収めるかをはっきりと見ることになる」と予告し、「衛星の運搬」を名目にした長距離弾道ミサイルの発射が近いことを示唆した。北朝鮮は昨年9月、推力80トンのエンジン燃焼実験に成功したと発表。韓国政府は、北朝鮮がこのエンジン4基を集束させた推力320トンのエンジンを開発したとみている。1~1.5トンの弾頭を米東海岸を含む射程1万3千キロ程度の範囲まで運ぶ能力がある」(朝日新聞デジタル4/3付け)
極東アジアは絶滅の危機に直面しているという最悪の事態も考えなければならないのでしょうか。