思い返せば、日本の株価の8日続落は9/29の自民党総裁選の2日前の9/27から投開票日がスタートになる。日経電子版の10/16から引用する。「日経平均株価は自民党総裁選で岸田文雄氏の選出が判明した後、下げ足を速め、約12年ぶりに8日続落した。菅義偉前首相が総裁選に出馬しないと表明してから急騰した分を吐き出し、それ以前の安値に沈んだ。この間の欧米株はほぼ横ばいだから日本株の下げが突出している」さらに引用を続ける。
「岸田政権の経済政策は残念ながら野党の批判がそっくり当てはまる。すなわち「美辞麗句を並べているが中身がない」まず真っ先におかしいと感じるのが、「令和版所得倍増計画」である。高度成長期の池田勇人政権時代ならともかく、低成長の今の日本で所得が倍になるには100年かかるだろう。元本が倍になるには年率7%の複利運用で10年超かかる。今後の日本の成長率が0.7%だと仮定しても国民所得が倍になるには100年は必要である。(中略)国民の所得を倍にするのが無理だから、金持ちをたたいて格差是正の「ポーズ」を示す。それが「1億円の壁」、すなわち金融所得課税の議論だ。しかし、新自由主義を推し進めたマーガレット・サッチャー元英首相が述べたように、金持ちを貧乏にしても、貧乏な人が豊かになるわけではない」
8日続落で、3万800円のピークから2万7285円まで落ち込んだ。これは岸田氏の「金融資産課税発言」に大きく反応して売りが加速したが、岸田氏はあわてて訂正し、すぐやる話ではない、などと前言撤回したので、株価は反騰し、2万9069円まで戻した。地合いが悪い中、よくここまでもどしたものだと思うのだが、「岸田文雄首相は15日、日本テレビの番組で、一時意欲を見せていた金融所得課税強化について、首相在任中に実施するか問われ「取り組みが早く進めばあり得る」と述べた。一方で「まずは賃金を引き上げるところから始めて、次の選択を考えていく。この順番を間違えてはならない」と語った。番組は事前収録された(日経電子版、10/16)」
これは、前言撤回とまではいかないが、発言の意図が全く不明だ。言っていることに1本芯が通っていない。これでは株価もまた迷うのではないか。まあ、材料視されないとは思うが、今、国内外の地合いが悪い。讀賣の10/16版に「投票先 自民44%、立民12%」という記事が1面で掲載された。自民の解散前議席は自民276、立民116である。つまり立民の2.37倍の議席を持っていた。投票行動からみると、立民の3.7倍の得票率になるので、世論調査からは、自民が負けることはない。ただ立民は2020年9月の8%から12%と5割増やしてきているので、今後、この数字は変わるかも知れない。
岸田氏は自民党候補者からも人気はないようで、選挙ポスターの写真は、河野太郎氏と映り込んだのが多いという。応援演説もやはり、河野、高市氏が人気なようだ。岸田氏は失言をするような男ではないと信じている。さすがに外交・防衛に関してはブレないが、経済政策については、以前にも書いたが、意味不明な点も多く、国民には伝わりにくいのではないだろうか。総選挙の最大の不安材料は岸田文雄そのもののような気がする。