2881.民(たみ)が動かねば政治は変わらじ

「岸田首相は。衆院解散・総選挙に関し「解散は全く考えていない」と説明した。「一つ一つの課題に取り組み、結果を出すことに専念しなければならない」と話した(日経電子版、4月30日10:30)」これまでは「今は考えていない」などとわざと含みを持たせた言い方をして精一杯の虚勢を張っていたが、島根選挙区の大敗北はよほどこたえたとみえる。岸田自らが、2度も島根まで足を運んだが「完全に逆効果」との声もメディアに出ている。「バラまき増税クソメガネ」などと言われても、それがどうした、と開き直っていた岸田であるが、国民がなぜ怒っていたのかわからなかったようだ。だが、6月解散などやれば、自民党の大敗北は間違いない。自民党最後にして最低最悪の逆臣になるかもしれない、と恐怖したのだろう。解散などできるわけがない。世の中の空気が変わらない限り年内解散もない。

岸田にはライバルがいない。安倍氏亡き後も安倍派の後継者はいなかった。「5人衆」などという「トロイカ体制」を敷いたが、小粒揃いで抜きんでた人がいなかった。人材難なのである。総裁候補には、いまだに石破茂とか、金子恵美氏をして「地アタマが悪すぎる」と言わしめた、小泉進次郎とか、売国奴などとネットで叩かれている河野某あたりしか名前が出て来ない。どう考えても自民党は終わっている。実力本位ではなく、当選回数で年功序列式・派閥均衡型の人材登用をやった弊害が出ているのだろう。これでは、優秀な人材など来るわけがない。政治屋を家業とする世襲議員や官僚の天下り議員、タレント議員ばかりになる。今の自民党が、まさにそうではないのか。安倍一強といわれた7年半で、ほかの議員が堕落してしまったのか。

国政選挙の投票率は直近の数字で、衆議院55.93%(2021年)、参議院52.05%(2022年)しかない。(総務省HPより)　選挙のたびに下がっているのである。棄権した人は無党派層・浮動票と考えるが、これだけ投票率が低いと、基礎票が多い党や組織選挙をやる党が勝ってしまう。いい加減、こうした事実を深刻に考えるべきだ。投票に行かない人は岸田を信認した、と見なされる。それが民主主義の暗黙のルールなのだ。岸田がこの2年半で何をやってきたのか、何をやってこなかったのか。よく考えてみて下さい。お願いします。