3073.正調・日本国財政破綻節

「日本国の債務は1200兆円と膨大だが、それを上回る資産があるから、日本国は破綻しない。財務省は負債の部分だけを主張し、資産については全くいわない」これは2001年頃、小泉内閣の政務補佐官だった髙橋洋一氏が国の貸借対照表を世界で初めて作ったBSの話だ。これが世に出るのは安倍内閣になった2012年以降である。もし、野田内閣の時に発表できていたら、消費税率5％→10％は、なかったかもしれない。だが、野田佳彦は当時の事務次官勝栄二郎に、内閣をひとつくらい吹き飛ばすくらいの覚悟でやらねば、日本の財政は破綻する、などと吹き込まれ、それを信じた財務真理教の信者、野田佳彦は本当に民主党政権を吹き飛ばしてしまった。

さて、日本国の債権・債務のBSの話は人によっては耳たこ状態だろう。日本国の債務1200兆円のうち、600兆円は日銀の保有資産である。このほとんどを永久国債として日銀が保有し続ける協定を政府と交わしているので、これを除いて考えると、残りの債務は600兆である。日本の保有する資産600兆円は、ほとんどが特別会計の積立金(埋蔵金)である。例えば、玉木氏などがよく話題にする外為特会は米国債だけで200兆円あり、外為特会全体で300兆円ある。これは、政府が無尽蔵に刷ったカネで買った(円通貨と交換)わけではなく、借金である。ただ、円安による含み益とドル債の年間利息(クーポン)の約9兆円は、借金ではない。含み益だけで、国民1人に30万円ずつ配れるほどある。それを公表してしまったのは、玉木氏であり、髙橋氏である。

髙橋氏は資産のうち、8割は官僚の天下り先の公益法人への出資金や法人の資産に化けている、と自分の番組で主張している。なんだ、それならそれを回収して借金返済に充てればいい、と多くの人は考えるかもしれないが、公益法人(特殊法人、一般財団法人、一般社団法人)を潰してカネを回収するなどの荒技は、革命政権にでもならない限り不可能に近い。公益法人へ回すカネは特別会計予算を経由しているので、カネの流れは、国会議員でもわからない。国会で特会の闇を追及していた石井紘基議員(当時、民主党)は、2004年に国会会期中に何者かの命令で鉄砲玉に刺殺された。事実上回収できないカネを会計法上、「資産」と呼んでいいのだろうか。(先を急ぐので、別途調べます)

単年度予算に目を転じると、予算と決算を突き合わせるとPBは、ほぼ均衡していることを私は突き止めて本ブログで書いた。理由は大量の不用額と剰余金が出るからである。予算の歳出入ベースでPBを均衡させようとすると、特例国債(赤字国債)で穴埋めしないとできないが、これも歳入の伸び率を過去のトレンドで大きめに見積もり、歳出は、国債の利払いの金利を現実に近い利率にすることで、PB均衡に近いところまで持って行ける。財務省は、GHQが日本が今後軍事予算を膨らますことが出来ないように、財政法4条に「歳出は税収の範囲内でやる」旨、書かされた。憲法第9条以外にも、GHQは、日本を幾重にも縛り、二度と米国に戦争を挑めないようにした。だから、その財政法の特例として、毎年、国会の議決を経て赤字国債(特例国債)を出している。実際の国債は、毎週、足りない分だけを細かく発行している。これは早くに多く調達しても金利分損するからだ。

髙橋氏は、マスコミは簿記を知らないだの財務省のポチだの、とわざと言っているが、マスコミ人が知らないはずがない。知ってて書かないのだ。髙橋氏もそれをわかった上で、マスコミを挑発しているのだろう。さすがに本音は言えない。国民をディープステイトの都合のいいように洗脳し、国民世論を操作するのが、新聞・テレビの役割だからだ。真実を報道する民放は必ず潰れる。スポンサーの意向に反するからだ。日本が破綻などするもんか、コロナ国債で110兆円出してもなんともなかったではないか、と主張する人がいたが、70兆円は繰越額と不用額になったので、実際に出した国債は30～40兆円だろう。それらのカネは岸田内閣のコロナ補正の原資になった。

日本の実質の債務は600兆円だ。対GDP比37．5％ほどである。対GDP比の国際比較では、G7だけで見ると、悪い順に、伊140．5％、米120％、仏111．8％、カナダ107．4％、英100．4％、独66．1％となっている。日本の政治家はGDPを増やす、すなわち経済成長する戦略を集中して考えればいい。まず、国の根幹は経済、次が外交・防衛である。政治資金規正法再改正？そんな小さい話はどっか議場の外でやってくれ。