3082.この国を滅亡させる財務省(上)

私はこのブログを立ち上げた頃、日本の債務が膨らんでデフォルトする、という浅井隆らの俗説を信じていたが、どういうメカニズムで破綻するのかを書いてある著作物は探したがなかった。返せなくなるとどうなるか、を書いた本は、それこそ山ほどあったのだが。浅井隆もただ借金が大きくなるから、だとか、国民の総資産より国の借金が大きくなってしまうから、程度しか書いておらず、浅井にもわからなかったようだ。彼は不安をあおって、商売をしたかっただけなのだ。浅井の妄言を信じてこのブログを始めた私は大馬鹿者である。当時は、その深い部分を知りたいという好奇心だけで、このブログは続いていたのでしょう。国債について学者が書いた本を3冊読んだが、そんなゲスいことはまったく書いていなかった。経済ジャーナリストと称する人は破綻する可能性もある、だとか、このままいけば危ない、などと適当なことを書いていた。誰もわからないんだ、と思い始めた頃、年金騒動が政治不信の引き金を引き、民主党政権になってからは、人々の関心は年金問題に移った。そして、東日本大震災が起こる。復興のために国債を大量発行するから、今度こそ日本は財政破綻するぞ、という風説が流れた。財務省がこの年に発行した復興国債はたったの4兆円である。あとはすべて増税で乗り切った。所得税、住民税、金融所得課税、たばこ税、ガソリン暫定税率の継続などである。コロナ国債の110兆円に比較してあまりにも小さい。

さて、話は一気に現在まで早送りする。石破の喉元に国民民主党は、減税案をつきつけたが、これがきっかけとなって、財務省陰謀論が裏メディアに広まった。YouTubeには財務省を批判するものから、解体して潰してしまえ、みたいなのまである。例えば、以下のようなショート動画がある。【財務省の国民騙し政策】国債の債務償還費「60年償還ルール」という悪法中の悪法を暴露！マスゴミが毎年「国家予算が過去最大」と煽る理由。れいわ新選組 高井たかし幹事長が財務真理教ナンバー2を問い詰める

この「国債の60年償還ルール」については、一般の人は知らない。私は数回、このブログで書いたが、GHQによる日本改造計画の一環と書いた覚えがある。だが、この法律は大正時代からある、とするネットの意見もあって、現在調査中である。先を急ぐ。普通の常識的な人は、国債とは国の借金であり、借金は返さなくてはならない、と思うだろう。この動画を見た人は、「え？」と思ったのではないだろうか。これも数回このブログに書いたが、実は、国債を返した国というのは、ないのである。それは、償還に応じたとか、国債管理政策の一環で、高金利のものを繰り上げ償還した(かつて、日本はこの手法を多用した)とかはある。

なぜ返さないのかといえば、インフレが原因である。インフレは貨幣価値を低くしてしまう。インフレで借金が目減りするからである。デフレが30年以上続いた日本は、貨幣価値が高くなる。借金の負担が減らないのである。戦後、先進国でデフレになった事例というのは、一時的なゼロ成長を除けば、日本を除いて聞いたことがない。多分、前例がないだろう。資本主義というのは経済成長が前提になっている。経済が成長し、所得も伸びていれば、国民は黙って税金を払う。

今の政治家が、昔に比べて格別に無能だ、という根拠を私は持っていないが、もはや、政治家は叩くに値せず、その背後にいる財務省がすべて悪い、という論調になっている。井川意高氏はYouTubeで「今の国民は3ヶ月前の国民とは違う。これまでどおりの政治をやっていれば(自民や立民は)痛い目に遭う」と言っている。SNSの世界は怖いらしい。私はXに登録しているが書き込みなどはやっていない(使い方がわからないので)。このブログだけで勝負している。

(長くなったので、（下）に続きます)