3241.総裁候補者の討論会という時間つぶしの茶番

 「ひろゆきと語る夜　＃変われ自民党　日本の未来を語れ！自民党総裁選」というYouTubeの生配信の番組を見た。平和な暇人さんのコメントの書き込みでご紹介いただいたもので、自民党公式サイトとひろゆき氏の番組のコラボ企画ということらしい。7時から9時10分という2時間を超す番組で、CMはない。7時から8時15分までは、これまでの討論番組と同じ形式で、台本どおりテーマ(設問)に従って、1人ずつ順番に答えるもので、設問も、出尽くし感のあるものばかりで、総裁候補者は、2分の制限時間内に回答する、実に、退屈な内容だった。

移民問題とか、経済政策など、もっと深掘りして更問いをぶつけていかないと、生放送の良さが出せない。ひろゆきの失敗作だ。大物政治家を前にして臆したか。これでは、候補者の本音は引き出せない。その点は大いに物足りない。ひろゆきが英語で質問し、即座に英語で返したホワイト・ポーク(林芳正)は語学力を披露した。茂木敏充も英語で返していたが、こちらは中学レベルの英語で、ちょっと片言っぽい。他の3人は日本語で返したので失望した。

8時15分からは、ネットから拾った質問とかで、ペットショップがどうの、とかパチンコはギャンブルか、など日本の政策に何の関係も無いもので、これは、トリックを仕掛けているのか、とも思ったが、「政策とは無縁の無意味な質問だ」などと尖った返しをする人はいなかった。全員、ウィングを思い切り広げているのがわかる。これは、持論を主張して、他の候補との違いを出したところで、国民には直接関係ない。まして、投票者である国会議員は、おそらく見ていないだろうし、仮に見ていたところで投票行動には影響しない。要は、失言して墓穴を掘らなければいいだけの話だ。失言しそうなのは小泉以外にはいない。5人全員が、メガソーラー発電と移民政策には、一致して反対の意思を表明していた。政策など守らんでもいいんだ－これは石破茂が残した唯一の名言だ。

少子化の問題で、候補者の誰かが、卒業した時点で50％以上の人は300万円近い教育ローン(日本では、奨学金ともいう)を抱えていて、これでは結婚は遅くなる、と言っていたが、私は違うことを考えていた。30年ほど前だが、職場に非正規雇用の女子社員がいた。話を聞いてみると、専門学校卒である。進学校ではない公立高校普通科では、高卒では就職口がないので、専門学校へ行く人が多いらしい。無論、Fランよりは、ちょっとマシな大学へ進学する人もいる。その頃、短大は、すでに社会福祉科などを作って、専門学校化しており、廃校となった短大や共学の4年制に転換した学校もいくつかある。その娘は自分は団塊ジュニアだという。年齢は当時26歳くらいか。

日本の少子化の原因は、団塊の世代は団塊ジュニアを生んだが、団塊ジュニアは多くの子どもを産まず、年齢別のグラフがフラットになってしまったことだ。その原因は団塊ジュニアの適齢期が「失われた30年」と重なってしまったことにある。これは、バブル崩壊(1990～1992)後の経済・財政政策の失政に責任がある。2012年に安倍晋三氏が再登板して、失業率を大幅に改善させ、20代の若者の支持を得たが、その世代は30代以上になり社会の中堅的立場にいる。今の日本の保守派は、30代、40代が中心なのだ。左派の小泉は、結婚し、44歳の中年になり、若年層や、女性の支持は低い。石破を辞任に追い込んだと豪語しているが、林らとともに石破政治を継承するなどと自己矛盾を抱えている。官房長官の林が言うのはまだわかるが、小泉という政治家は何を考えているのかわからない人だ。

先進国の人類は、他の生き物と違い、種族維持本能が希薄になっているようだ。滅びゆく種族なのかもしれない。候補者全員が移民政策に反対する、ということは、50年後の日本の人口8000万人を容認する、ということだ。その頃には、今の40歳代もこの世にはいない。たいていの深刻な懸案は、先送りという方法で解決することを経験的に知っている。過度に心配することはない。それよりも、プーチンという白い悪魔が地球の人口を半分くらいに減らして、核の冬になっているかもしれない。これは約5年以内には明らかになる。

日曜日は、9時からNHKの日曜討論拡大版があります。これは事前にシナリオが配られているので、退屈な内容になるでしょう。おそらく、最後の討論会になるのではないでしょうか。