3466.アベノミクスとは全然違う高市総裁の政策

(この記事本文は、記事NO.3465の下に書いたコメントの続きです)

高市総裁(10/20まではまだ総裁)の政策ブレーンには、アベノミクスの理論的支柱だった本田悦朗氏(70歳)、地球環境工学の村上周三氏(83歳、東大名誉教授)、奈良の同郷の藤井聡氏(57歳、京大院教授、国土強靱化、公共政策学)、江崎道朗氏(63歳、安全保障・インテリジェンス・近現代史が専門)などがいる。このほかに、迷った時に電話で相談する髙橋洋一氏(70)、高市総裁の不遇時代にいっしょに全国を講演行脚したノンフィクション作家で保守派の論客、門田隆将氏(67)などがいる。このほかにも、保守現実派の言論人やジャーナリストなどは数限りない。

朝日などの左翼メディアは「アベノミクス再び」などと批判的に書いている。円安になって、物価が上昇する。債務を増やして金利が上昇し､大インフレになる、などと主張しているが、当時とは時代背景が違う。同じことをやるわけがない。「サナエノミクス」などとメディアが呼んだ時期があったが、本人が嫌がり、使用されなくなった。総裁は、徹底して「安全保障」と「国益」を政策理念の中心に置いている。安全保障といっても、国防だけではない。経済安全保障の強化(サプライチェーンの強化、エネルギー、資源の国産化を中心とした先端技術の育成)、食料安全保障(自給率を上げていく農業改革)、セキュリティの強化(スパイ防止法やセキュリティクリアランスの適用拡大)などであるが、積極財政は、これらのための投資を重点に行う、これがアベノミクスの積極財政と最も大きく違うところである。今年は、ノーベル賞を自然科学分野で複数受賞した。多孔性金属錯体を開発し、化学賞を受賞した北川進氏は「基礎的研究分野にもっと投資すべき」と警鐘を鳴らした。今後は基礎科学の分野への投資も増やしていくと考えられる。

安倍晋三氏との大きな違いは、派閥に属さず、政治献金のしがらみもなく、政策を妨害する創価学会もいない。ほぼフリーハンドで政策が実現できる。岸田・石破が腐りきった政治を行ったため、自民党は国民の支持を失い、党勢はかなり衰えた。これは、意図的に中国の人と資本を国内に呼び込む政治である。権力の隙をついて権勢を拡大した財務省も、国民の支持を得た政権には楯突けない。「第二次麻生内閣」などと揶揄する腐ったオールドメディアがいたが、麻生氏はそのような器の小さな人物ではない。副総裁就任を逡巡したのも85歳という年齢と健康面を考えたのだろう。

現在、日本維新の会と政策調整を行っているが、維新の主張する「社会保障改革」の主な柱は、現役世代の社会保険料負担の軽減と持続可能で質の高い社会保障制度の構築を目指す、としている。その中心となる考え方は、社会保険料を下げる改革、例えば、国民医療費の総額を大幅削減、これは、現役世代一人当たりの社会保険料の負担額を年間で6万円引き下げるなどを目標としている。持続可能な社会保障制度とは、世代間格差の是正と、こども政策・少子化対策などであり、年金・医療・介護の構造改革を横断的に議論するための「社会保障国民会議（仮称）」の設置を提唱している。「社会保険料を下げる改革」とは、要するに、現役世代の手取りを増やし、経済を活性化させることを目的としている。これらは、高齢世代には痛みを伴う改革であり、高齢者の支持率は低い。維新の議席が伸び悩むひとつの要因でもある。

維新とは、憲法改正、原子力政策、移民政策、言語(関西弁)などで一致しており、護憲派の公明を斬り捨てて、維新と入れ替えたことにより、自民党の政策がよりクリアになり、離れた保守層が戻ってくるだろう。真の意味での令和維新が始まる。