4.今後の為替動向 |
105円30銭から一気に112円台まで進みましたが、これは、政府・日銀による押し下げ介入によるもので、ちょうちん買いも伴い円安に振れました。しかし、グリーンスパン議長らの介入批判で介入をやめたため、円高に押し戻されています。
ドルは対ユーロに対して底をつけたようですが、円は日本の景気回復が高く評価されなかなか、円安に振れない。また、ドル高・ユーロ安は円高要因であるため、ユーロに対しても円は高くなり、ドルに対しては円が簡単には安くならない状況になっています。ただ、若林氏は、1$=105円が底であり、今後1年くらいは105円~115円のレンジでの動きを予想しており、5月には115円と予想しています。5月4日時点で110円台ですから、予測はまずまずといったところです。
では、その先はどうなるか…。2006年から2007年に同氏は1$=175円と予想しています。その根拠は、高齢化が進展し、貯蓄率が低下し、貯蓄を取り崩して生活する人が増えていきます。そうすると、民間の資金需要に対して不足が生じ、海外から資金を調達しなければならなくなる。現在の経常黒字は激減していきます。しかしながら、現在、政府は大幅な財政赤字で国債相場の管理政策というきわめて難しい舵取りを今後もしていかなくてはならないーすなわち、金利を抑え続けなければならないわけで、そうなると大幅な円安となるわけです。
「修羅場のマネー哲学」という著書の中で木戸次郎氏も2006年頃までは日本の景気は拡大していくが、団塊の世代がリタイアしていく頃になると、急速に日本経済は失速していくと予測しています。そのピークは2008年とのことです。