442.日銀の利上げ報道に思う |
私見ですが、低金利による弊害、すなわち円キャリートレードが過度に進み、円安が加速すると、自然とインフレになっていく。日銀としてはこれを懸念しているのではないでしょうか。さらに、円安を放置していくと、金利は上昇していきます。
ただ、恫喝ともとれるような発言は、経済閣僚みんなで仕組んだ「上げ潮政策」の前提条件が崩れるので、それだけは避けたいということだと思います。実際は、短期金利0.25%→0.5%では、長期金利への影響は限定的ではないでしょうか。尾身財務相の日銀の利上げ容認発言がありましたが、これは、財務省と日銀の間で、「今回は、利上げは見送る」という合意ができたのではないかと想像いたします。
ちょっと見方を変えて、20年後の日本の歴史教科書を想像してみました。
---- 以下抜粋 (なんちゃって...) ----
第2部 21世紀初頭の日本の金融政策
2006年~2008年頃、政府は強烈な利上げ反対の態度をとり続けて、国内外に低金利がしばらく続くよという雰囲気作りをしていました。その結果、多くの人は、「まだ低金利はしばらく続くだろう」、「たとえ、日銀が利上げを進めたとしても、超スローペースだろう」と考えていました。
この間に政府は、償還を迎えた国債を、20年以上の超長期債へ借換えを進めました。
さらに、強引に繰上げ償還(借換えの前倒し)も行い、2010年~2020年の間に償還を迎える国債を最小限に抑えました。
2010年、政府は待ちに待った「デフレ完全脱却」&「利上げ容認」宣言を出し、態度を一転させました。
この政府の発表にマスコミは過度に反応し、連日報道を繰り返しました。わずか数ヶ月で多くの国民がこれからインフレだ利上げだという雰囲気に飲まれました。これにより、今まで企業物価の上昇をリストラで賄ってきた多くの企業や小売業者が一斉に価格転嫁をやり始めたので、本当のインフレが始まりました。日銀は、さあ本格的な利上げだとなり、2004年~2006年のアメリカの様なペースで利上げを実施しました。
このインフレと利上げは10年間続き、2020年頃には終息してきました。
この間、年10%のインフレ率を記録した年もありました。気がつけば、10年間で物価は2倍、年平均のインフレ率は7%に達したので、当時のG7になぞらえて、「インフレ・セブン」と呼ばれました。
この「インフレ・セブン」は、国の累積債務は実質半減することにも貢献しました。しかし、今も膨大な公務員を抱える政府や自治体の累積債務は、増加し続けています。
----( 2037年度の歴史教科書より )----
個人的には、2月3月に(景気失速ではない程度の)悪い経済指標が出て、利上げが参院選以降になることを期待しています。
インフレ率が3%なら、政策金利が3%でも文句は言いません。
IMF専務理事、日銀の利上げ「急がないで」
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070117AT2M1700P17012007.html
20年後はこの程度で済んでいればいいなという願望を込めてみました。
この程度ですんでくれたら、我々一般庶民でもフィナンシャル・リテラシーを磨けば、何とか対応していけると思っています。
ハードな破綻処理をされると、一般庶民は日本に住んでいる限り、なされるがままです。
それは、去年12月21日に書いた、No.432. 円キャリーバブル崩壊による世界経済の収縮 という記事です。日銀の利上げが直ちに世界経済の崩壊をまねく、ということはないと思いますが、昨年の年初には、日米同時経済崩壊だの、日本が崩壊の引き金を引くだの、それは米国だの、という本が並んでいました。年末には、逆に、日本にとって、楽観的な内容のものが多かった。今年は、まだ新刊本が並んでいないようです。素人向けの経済関係のビジネス書は、見出しがセンセーショナルでないと見向きもされません。株高の予想が多いことから、落ち着いた平穏な年になって欲しいものです。
まだ、予断を許しませんが、単純平均の推移とあわせて注意して見て行く必要があると思います。









