448.団塊ジュニアのローン地獄と団塊世代の憂うつ |
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行員:最近、団塊ジュニア世代かそれより若い20代の住宅ローンの申込者が多いんですよ。
わんだぁ:団塊の世代の親が退職金から500万円とか、子供は、双方の親から1,000万円くらい贈与してもらっているのでしょうか。
行員:そういう方も中にはいますが、援助無しに、ご自身で3,000万円とか3,500万円とか借りる方の方が多いですね。団塊の世代の方は将来、子供に面倒を見てもらうということを期待していないので、子供に住宅資金を贈与する方は、昔ほど多くありません。
わんだぁ:団塊の世代って、自分が親との同居を嫌ってきたから、子供夫婦との同居も嫌う。3世代同居というのは死語になりつつありますね。団塊の世代は自分の将来が不安なので 、お金は大事に握っておくのではないでしょうか。自分のことは、自分でしろ、というのは正しいと思いますが、年収300万円とか400万円とかの人に3,000万も貸し込むのは、銀行の姿勢として問題じゃないですか。
行員:融資のノルマがありますからね。審査も昔みたいに厳しくない。地方では、地銀と大手行が小さな住宅ローン市場を奪い合っていて、総じて大手行は苦戦しています。支店も少ないですしね。例えば、住宅金融公庫は、8割融資が基本でしたから、2割の自己資金が必要でした。今の民間金融機関は極端に言えば、自己資金ゼロでも融資しています。地方では地価の下落で、建設費はピーク期の半分程度なんですよね。だから、貸りるくらいならいっそ買っちゃえ、と。
わんだぁ:それって、共働きでようやく返済できるかどうか、という金額ですよね。子供ができたら母親は働けなくなるし、収入が不安定な低所得者層に住宅ローンを貸し込めば、将来、ローン破綻が急増するのは確実ではないでしょうか。
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地方では、地価の下落に乗じて、バブル期には買えなかったマイホームが、当時の半分以下の価格で買えます。しかし、年収も当時に比べると下がっています。そもそも、バブル期には派遣だの契約社員だのという雇用形態は一般的ではなかった。このまま銀行が低所得者層に貸し込んでいくと、将来、住宅ローン破綻は急増するものと思われます。この背景には、地方財政の悪化による公共投資の削減があります。地方は都市計画法の線引きや規制を緩め、個人の住宅建設を促進させようとしているのではないでしょうか。その結果、競売物件が市場に大量に放出されるのは確実ですし、住宅地の供給過多と相まって、地方の住宅地の地価は相当期間低迷すると見ています。
地方都市には 若い夫婦好みの優良な賃貸物件は少ないですが、地価が下落中の地域では 年収の数倍のローンを組んで自宅を購入することは、数倍の信用を建てて「有望で無い株式」を一転集中買いするよりも もっと危険な時代になったのだと思います。
特に首都圏だと、社宅を出たら家賃の負担が増えて、貯蓄どころではなくなるから、それならいっそのこと買ってしまおう、という考えの人がほとんどです。
でも、よく考えたら。
30代で家を買うと、定年頃には家も古くなり、建て替えや住み替え時期になってくるんですよね。
高い家賃を払うと貯蓄ができないのなら、同程度のローンを払いながら貯蓄できるはずがありません。
ローン破綻までは至らなかったとしても、そんな状況で、定年頃に迫られる建て替え・住み替え費用をどう工面するのか...
そんな先まで考えている人は、ほとんどいないように見えます。
僕の住むあたりは、マンション建設ブームですが、販売はかなり苦戦している様子です(素人目にも供給過剰)。
マンションのチラシに、「お得な新提案!50年ローンはじめました!」という文字が躍っています・・・(^_^;)
一応確認(小さな文字での説明)してみると、やっぱり3年固定のその後変動金利型ローンです・・・(^_^;)
『3年固定の変動型ローン』が編み出されたのは知っていましたが・・・利用している若い人が居るんですね。
やはりどうしてもマイホームが欲しいなら 直さんやわんだぁさんのおっしゃるとおり 中古が良いんです、まさしく 激しくアグリーします。
ただ 競売物件への入居となると・・・・
関東に新興住宅街の競売物件(と不動産屋さんに教えてもらわないまま 競売物件と知らずに格安の中古を探し当てて、そこへ)入居された知り合いが一人いるんですが、入居後は地域で陰湿な虐めが多かれ少なかれ ある程度はあるらしいです。(続く・・・・)
現実問題として この日本で あくまでも合理的にサバイバルしようとすると、自らの非合理さから(不条理な)苦労をしている(と思い込んでいる)人からの心無い虐めなども 『平気だ!』という『たくましさ』も必要になるんですね。
競売物件も多くなれば 多かれ少なかれ虐めはなくなるでしょうが。。。
住宅の中古市場も もうちょっと一般的になるといいのですが・・・。
つまらないこと書いて すみません。
そうですね、まともな物件を月額2万8千円という金額でも貸しに出さざるを得ないということは、所有者と金融機関のどちらか(あるいはその両方)に、ファイナンス上の深刻な問題が生じているはずですから、不良債権問題の深刻さが実感できようというものです。
うがった見方をすれば、住宅ローンの焼畑式営業をあらかたやりつくしてしまい、残っているのはごく低収入の非正社員のみ(しかも、若年層では大多数)というのが現状でしょうから、今後は際限なく賃料が(全国規模で)下がっていくことが予想されます。
こういう時代には、小学校、中学校、高等学校の生活科とか家庭科とか総合学習とか科目は何でも良いですが、難しい学問的な金融論ではなく、身近な生活レベルの金融基礎知識を学習する機会を設けるべきではないかと・・・強く、思います。