503.地方自治体の財政破綻を公表し水際で食い止める新破綻法制 |
連結ベースで見ていこうというのは、現行の財政再建団体の適用が自治体本体の収支だけに着目していたのに比べて、特別会計 (病院、下水道、都市交通などの公営事業) や三セクを含めて、財政状況を把握しようとするものですから、これは隠れ借金を洗い出すことができ、実態を把握できるものと考えます。
総務省のHPには、以下のように記載されています。(HP、PDFファイルから抜粋)
財政健全化法では、地方公共団体 (県、市町村、特別区) は、①実質赤字比率、②連結実質赤字比率 (全会計の実質赤字等の標準財政規模に対する比率)、③実質公債費比率、④将来負担比率 (公営企業、出資法人等を含めた普通会計の実質的負債の標準財政規模に対する比率)、の4つの指標を監査委員の監査に付した上で、議会に報告し、公表するよう義務づける。①~③のいずれかひとつでも、早期健全化基準以上となった場合には、「財政健全化計画」 を定めなければならなくなり (財政健全化団体)、財政再生基準を超えた場合には、「財政再生計画」 を定め、総務大臣との協議を行う (財政再生団体)。
「財政再生団体」 になると、財政再生計画の中で総務大臣の同意を得ていなければ、地方債の起債ができなくなる (災害復旧事業等は除く) ほか、「財政再生団体」 に対して国が必要な勧告を行うことができることから、現行の破綻法制でいうところの、「財政再建団体」 の名前が変わったものといえるのではないでしょうか。
現行制度下では実質赤字比率が20%を超えると「財政再建団体」 に指定されます。(夕張市が37.8%) 実質赤字比率20%超の市町村は、夕張市以外に長野県喬木村(21.5%)、和歌山県太地町(35.7%)、香川県綾川町(21.1%)、福岡県苅田町(26.0%)、の4町村ですが、これらの町村は連結ベースでは赤字ではありません。連結ベースで20%超は、14市町あり、多くは北海道と大阪府下に集中しています。2008年度決算から新法が適用となりますが、その基準値は現時点では示されていません。現時点で、164の連結赤字自治体は、「財政健全化団体」 の予備軍といってもいいかもしれません。2008年度決算に向けて、自主的な財政立て直しの努力を続けていくものと考えますが、そのうち、いくつかの地方自治体はおそらく、「財政健全化団体」 の指定というイエローカードをつきつけられるものと思います。複数の道府県もこの中に入るのではないかと一部のマスコミは指摘しています。
新法の趣旨としては、夕張市のように、いきなりレッドカードにならないよう、その手前で情報を住民に開示しショックを和らげるとともに、より強い自助努力を促して、住民への影響の大きい「財政再生団体」 の指定をなるべく抑えようとしているのではないかと考えます。
財政破綻が避けられないとしても、「国滅びて人心栄える」時代を迎えようとしているのであれば、まだ良いのですが。
国滅びての「国」ですが、すみません、「公共セクター」とでも置き換えてもらえればと思います。その昔、ブラジルの某州がデフォルト宣言を出した直後に訪れたのですが、お上にとっての一大事でも、一般市民はどこ吹く風で生活を楽しんでいるように見えました。逆にニュージーランドなどは確かに財政再建には成功したかも知れませんが、何かぎすぎすしているようで。何が大切なのか、心構えとして優先順位を持っておくことも大切かなという気がします。楽観的すぎて、モラルの欠如につながることは戒めなければいけないのでしょうが。
最後に、苅田町に関しては、古い数字かも知れませんが私は次のリンク先(2番目の図)などと同様の認識を持っています。先におっしゃられていた、合併が短期的に財政悪化を招いているという現状を別の側面から示しているようにも思えます。
www.pref.fukuoka.lg.jp/somu/gappeiweb/pdf/singi4_e.pdf
ただ、コメントにあるように「足による投票」もより顕在化してくるでしょうね。土地にしがみつかずに生きられるなら、土地は所有しないことでリスク回避を行うことも大切な生活の知恵になってくるかもしれません。
足による投票がもっと一般的になると、住民は自治体の再建を待ってくれない、という可能性があり、また、地価も収益還元価格により近い水準に収斂していくことが予測されます。
「現行制度下では実質赤字比率が20%を超えると「財政再建団体」 に指定されます。(夕張市が37.8%) 実質赤字比率20%超の市町村は、夕張市以外に長野県喬木村(21.5%)、和歌山県太地町(35.7%)、香川県綾川町(21.1%)、福岡県苅田町(26.0%)、の4町村ですが、」









