579.資格商法~FPという資格 |

ファイナンシャルプランナーという人気資格があります。日本FP協会には16万人の会員がいて (おそらく有資格者はこの倍はいると思われます) 日本FP協会は今年で20周年を迎えたそうです。しかし、この資格を維持するには、入会金1万円のほかに年会費1万2千円、継続教育と称して、2年間で15単位取得しなければなりません。15単位取得できなければ、正会員の資格を失うのです。15単位取得するにはいったいいくらかかるのか。受講料を払って講演を聴くとだいたい1回で3,000円くらいで3単位です。継続教育のための通信教育もあり、おそらく、1.5万円から3万円かかります。
そもそも、FPって、食べていけるのでしょうか。答えはNOです。浅井秀一 (浅井隆とよく間違われるそうですが、全くの別人) 氏や萩原博子氏など名前の知れたFPは、講演や本の執筆で生活しているようですが、多くのFPの収入源は、FPの有資格者を作り出すことです。資格取得のためのビデオやテキストを書く。資格をとるとすぐにも食べて行けそうな錯覚を起こさせる。
資格取得には、3級AFPに合格して、2級以上の受験資格を得る方法と通信教育で2級AFPの受験資格を取得する方法があります。私の場合後者を選択しましたが、通信教育は、ユーキャンで、5万円以上かかりました。無論、生保や銀行など金融機関で実務経験のある方は、受験資格を有していますので、書店で3,000円くらいのテキストを買って勉強することも可能です。
私の場合、勉強時間は、通信教育に課題を提出した以外は、ほぼゼロです。記述式試験は1回目で受かりましたが、択一式試験は3回もかかってしまいました。勉強を全くしなかったので、税法と相続と事業承継などは、歯が立ちません。そのかわり、経済の一般常識と金融商品知識、都市計画法や建築基準法などの不動産法律関係は満点でした。今、金融商品に関しては、銀行や証券会社の窓口で詳しく教えてくれますし、相続や税金関係では弁護士や税理士に相談しますので、FPの出番はありません。FPの持つ専門知識にカネを払って相談する人など皆無といってもいいでしょう。要するに、営業しようにもニーズが無いのです。もっともFPといってもレベルの差がかなりあります。他の資格と併せ持って、はじめて活きてくるのです。金融の現場で働く人は、FPの資格を名刺に刷り込めますが、一般の方は、よく考えたほうがいいと思います。