588.ガソリン国会の修羅場は4月下旬にやってくる |
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いよいよ道路財源の暫定税率が期限切れとなりました。国内のガソリンの価格はジリジリと下がる見込みです。この問題、単に値下げをすればすむ問題ではなく、いかに特別会計の無駄遣いを正すことなど、より本質的な議論の突破口にできるかが今後の勝負だと思います。与党の3分の2の再議決の恐れもあり、これからが本番、しっかり頑張りたいと思います。
◆35年ぶりの税率撤廃
ようやくこの日がやって参りました。昭和49年にガソリン税が引き上げられて以来、実に35年ぶりとなる暫定税率の撤廃です。ガソリンはこれからジリジリと125円近辺まで下がる見込みです。確かに荒業でしたが、やはりこれまで漫然と無駄遣いを続けてきた道路予算当局の目を覚まし、無駄遣いされた税金を国民の手に取り戻す、そのためにも一点突破、これはとても重要な節目となる局面でした。
◆政治の機能不全
日銀の総裁問題、そして道路財源をめぐる問題、最近、民主党に対してお叱りや不安のお声をいただくことが多くなりました。この点謙虚に、そして厳粛に受け止めねばと思います。自民、民主ともに互いがメンツを張り合い、政治闘争を優先させてきた結果です。ただ、民主党にも非があると同時に、やはり自民党の非も極めて大きいと感じます。(中略) 道路財源をめぐる修正協議にしても、誠意ある呼びかけならせめて期限前1ヶ月、3月上旬には与党内調整を済ませて呼びかけを行うべきでした。であれば民主党も真摯に受け止めざるを得ません。しかし期限切れ間近になって、ドタバタ、ジタバタ出して来る修正協議に、誠意を感じるどころか、これに安易に乗って良いのか、この私ですら警戒心の方が先立ちます。(中略)
◆今後の展開
問題はこれからのガソリン税の行方です。現在の財政難等を考えればやはりこのままの水準で長期間放置することは日本にとって好ましい状況とは思えません。地球温暖化対策等のためにもガソリンにかかる税負担をヨーロッパ並み(1リットル100円から150円)に早晩引き上げる必要性があると思います。ただ、そのためには二酸化炭素の排出に関する税制について基本からしっかり議論すべきであり、与党が早々と宣言しているように憲法の60日規定に乗じて衆議院の3分の3の多数で再議決するというのは認められません。そのために鍵となって来るのは4月27日に投開票の衆議院山口2区の補欠選挙です。この選挙、正に「暫定税率廃止が是か」、それとも「再議決による再引き上げ容認か」、国民に直接問いかける選挙となりそうです。全力を尽くさねばなりません。
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道路族というのは、国会内だけにいるのではなく、まして国土交通省道路局内だけでもなく、全国知事会の約2/3や大多数の自治体の首長、地方議会組織などを筆頭にたいへん大きな組織となっているのです。道路事業は、公共事業の中でも最大かつ圧倒的シェアを持っています。この一部に手を掛けた、ということは、地方の多くを敵にまわしたといっても過言ではありません。国民の多数はガソリン価格下げを単純に喜んでいるわけではないのです。即座に党首が声明を出せない民主党は一枚岩ではない、ということだと思います。