591.混迷する政局。そして、さっぱりわからない民主党 |
4月3日の時事通信の記事に以下のようなものがあります。「与党は3日、民主党が福田康夫首相の問責決議案を参院に提出した場合、衆院に福田内閣信任決議案を提出する方向で検討に入った。首相問責決議案が可決されれば史上初となり、その政治的効果は大きい。このため、与党が圧倒的多数を占める衆院で内閣信任決議案を可決して対抗、問責決議の重みを相殺する必要があるとの判断に傾いた。」 このようなことは過去に前例がない、と言われていますが、そもそも、衆院で与党が 2/3 を押さえ、参院では逆に野党が過半数を制する、「ねじれ国会」 は日本の憲政史上まれですので、先が全く見えません。
オフィス・イノセ (猪瀬直樹氏) からのメールに以下のようなものがありました。
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結論的にいってしまえば、福田政権にはこの一大政局に対応していくだけの備え、陣立てが欠けている。野党はといえば、民主党の小沢一郎代表の党内求心力の減退が、混迷政局の最大の要因となっている。その点が一般には理解されにくいのだが、永田町ウオッチャーの目からすると、「自民vs民主」という図式で見れば、政局で勝っているのは自民党であり、民主党のほうがむしろ打つ手がなく追い込まれているといっていい。
■小沢代表の求心力低下
民主党の小沢代表は昨年10-11月の「大連立」騒ぎ以後、党内の求心力を急速に失った。今年9月に代表選挙を控えているが、このままだと、「反小沢」候補が何人か立ちそうな気配である。日銀総裁人事で小沢氏が事前に了解したといわれていた候補が「不同意」となったのは、小沢氏のパワーダウンを示す好例である。およそ組織というものは、内部に問題を抱えると外に向かって強く出ざるを得ない。民主党の一連の対応が、強硬論一点張りなのは、そのためである。うかつに与党との妥協、調整に走ると、小沢体制そのものに重大なヒビが入りかねないのだ。
そこで、今後はどうなるか。問題のガソリン税の暫定税率維持などを含めた予算関連法案は4月29日に再議決可能な参院送付後60日を迎える。与党はここで躊躇せずに再議決規定を使うだろう。そうなると民主党は首相問責決議を参院で可決するとしているが、再議決規定は憲法で定められている一方、問責決議は法的拘束力のないものである。どちらが上位に位置するか、自明のことだ。再議決による混乱は1週間程度で収束すると見る。
■「早期解散」はない
となると民主党の求めている「早期解散」はない。自民党としては、衆院3分の3の再議決要件を維持することが最大の眼目だ。与党3分の2の大勢力は小泉政権時代の「郵政解散」による劇場型選挙によって初めて可能になったのであり、その再現はとてもではないが、あり得ない。総選挙に勝ったとしても与党過半数がせいぜいのところで、「衆参ねじれ」に変化はなく、その上、再議決要件を失うのでは混乱に拍車をかけるだけ、というのが自民党の思惑だ。解散がないとすると、福田首相にとって世論の支持率が最大のネックとなる。小泉、安倍両政権は、その是非はともあれ「改革」を前面に掲げ、「政治リーダーの意思」が見えたのだが、福田首相は自民党的秩序によって選ばれた「調整型リーダー」だ。そういってはなんだが、テレポリティクス時代には物足りなく映ってしまうタイプである。国政の停滞状況がこのまま推移すると、福田首相の支持率アップは望めまい。20%割れといった事態になったら、どうなるか。自民党は首相の解散権を封じ込め、「首相のカオのすげ替え」に出るのではないか。早くも麻生太郎、与謝野馨、小池百合子各氏らの名前が浮上している。
■自民に「総裁選」作戦
つまり、解散を回避して自民党総裁選を行うというシナリオである。じつは民主党はこれを最もいやがっている。上記のような顔ぶれで総裁選が展開されたら、世間の関心は自民党に集中する。その結果、だれが後継総裁になったとしても、支持率回復は間違いないということになる。福田首相がこうした流れに抵抗するには、内閣改造という手がある。そうした「後継候補」や若手有望株をごっそり閣内に取り込んで、政権のイメージ一新をはかるという作戦だ。今後、注目すべき政局のポイントは、以上の想定要素を踏まえ、福田首相と党内の綱引きがどう展開されるか、にある。
世間的には民主党が「ガソリン値下げ」を勝ち取って優位のように見えるかもしれないが、それは表面的な姿にすぎない。政局の動きはすでにその先に向かっている。
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この政局の見方については、私も同様に思います。長文ですが引用させていただきました。ただ、過去に例のない、「ねじれ国会」 ですので、何が起こるのかわかりません。混迷はますます深まっていくのでしょうか。









