616.生保の個人年金は存在意義があるのか |
1946~1952 3.0%
1952~1976 4.0%
1976~1985 5.0%
1985~1996 5.5%
1996~1997 4.75%
1997~1999 3.75%
1999~2001 2.75%
2001~2003 2.0%
2003~ 1.5%
保険契約者が手にする実際の運用利回りは、予定利率よりさらに低く、各社若干の差はありますが、最近では0.3~0.7%程度です。生保各社の多くは国債や社債などの手堅い金融商品で運用していますから、生保を通さずに直接自分で国債なりを買った方がトクというのは、子供でもわかりそうな理屈です。
では、個人年金を買うメリットはないのか…。ありました。年末調整の際の税金の還付です。年金控除が5万円ありますので申告すれば、税金が約1万円ほどバックされる。メリットはこれだけです。個人年金を買う際のご参考となさって下さい。
もっとも、月掛けタイプの個人年金は今、買う人があまりいません。売れているのは、一時払いにして、満期時に一時金で一括して受け取るタイプの個人年金です。昔、養老保険という名称で販売されていた商品は、この低金利の時代に売れなくなり、一時払い型個人年金保険という、お化粧直しをして生きながらえています。
現在では、変額個人年金が主流となっていて、変額個人年金には運用を投信で行うタイプと外貨建てで行うタイプのものと2通りありますが、投信のリスクと為替リスクについてはここであえて書くまでもありませんので割愛いたします。これらは、生保会社から、すごく手数料の高い投信を買う、と割り切った方がいいのかもしれません。フツーに考えれば、直接自分で投信なり外債を買った方が、はるかに、おトクです。メリットといえば、死亡した場合に死亡給付金として、満期になるよりも早く受け取ることができる、ということくらいでしょうか。これはもうハッキリ言って相続対策ですね。
どうも生保の商品については、死亡保障の掛け捨てタイプの生命保険以外には有望な商品が見あたらないようです。私は個人的には、保険は、共済(県民共済など)がかなり割安なので、保険を毛嫌いしている方や貯蓄の少ない方にオススメしたいと思います。ほら、ここにも、セーフティネットがありましたね。(生保業界から営業妨害だとして袋叩きにされるでしょうか。)
★予定利率
契約者が支払う生命保険料のうち、事務経費などが差し引かれた後、保険金の支払いに充てるため、積み立てられる、責任準備金の運用利回りが「予定利率」である。当初の予定利率と実際の運用利回りの差は「利差(損)益」と呼ばれ、生命保険会社の収益のひとつである。バブル崩壊後の超低金利政策のもとで、生命保険会社は、実際の運用利回りが予定利率を大きく下回るいわゆる「逆ざや」の問題に直面した。逆ざやによる収益の圧迫で、平成9年から平成13年までに7社が破綻した。(ウィキペディアより引用)
出口治明さんの書いた本や、岩瀬大輔さんの書いた生命保険の
カラクリなどが参考になるかもしれません。
生保はテレビや新聞・雑誌の大広告主だし、不動産や証券会社の
大得意、銀行や大企業の株主だし、なかなか難しいところがあり
ますね。