41.景気悲観論の台頭、先行きには暗雲が |
前期のGDP速報値も中国特需とデジタル景気に依存したものであり、内需主導の景気回復はもともと無理だという意見が根底にはありました。要するに、この国の供給システムは、はじめから海外需要を前提にした過大なものになっているためで、仮に、内需だけで日本経済をまわそうとすれば、それ相当に経済規模を縮小しなければならないし、今この期におよんで、経済規模を縮小するなど出来ない相談だからです。また、2003年3月以降、家計部門の貯蓄が減少して赤字に転落、そして高齢化の加速など、さらなる消費悪化要因もひかえています。
今、アテネオリンピックでは、日本人選手の活躍で、連日のメダルラッシュという、明るいニュースに湧いていますが、秋以降の国内問題は、厳しいものが予想されます。論点は、消費税率上げなどの増税論議と公的年金の再見直しなどになると思われます。今後は、公共事業費、補助金の廃止・削減などの政府部門の歳出削減が予定されていますが、現在のようなデフレ下の財政再建策は、景気をさらに後退させ、経済は縮小に向かうことが危惧され、それがさらに財政の立て直しを困難にするという、頭の痛い問題があります。